第10話 入学式当日 後編

(やっぱり勘違いされるよな...)


初日から交差点前で腕に抱きつかれているのを見られれば、そりゃ勘違いされるわ。


そして志歩の危機管理能力は相変わらずオワっていた。


それに他の人と話してる最中に、志歩がチラチラとこちらを見てきて落ち着かない。


(早く先生来て)


「ガラガラガラガラ!」


「おはよう!今日から1年1組の担任になる、心花 理恵だ!これからは理恵先生と呼んでくれ!よろしく!」


「おはようございます!」


いきなり女の先生がドアを勢い良く開けて入ってきた。


そしていきなり自己紹介をした。


「一回みんな着席してくれ!」


「よし座ったな。まず言っておく、うちのクラスは騒がしくなると思っておけ!」


「はあ」


「何故ならこの私が担任だからだ!今後ともよろしくな!」


なんか面白そうな先生がきた。


周りもそう思っているのか少しニヤついてる人もいた。


俺はニヤつくほど嬉しいくはないが。


そして先生をよく見て思った。


(なんか美人じゃね?)


何歳なのか分からないが若そうなのは分かる。


スタイル良いし、肌も綺麗だ。


(もしかしてあいつらがニヤついてる先生が美人だからか?)


あまりにも正直過ぎる。


「じゃあ自己紹介してもらうぞ!出席番号順にその場で立ってやってもらう!」


(あ、自己紹介の存在忘れてた)


みんな無難な挨拶をして座っていた。


そして遂に志歩の番が回ってきた。


(お願いだから変なこと言わないで)


「初めまして!水城志歩です!よろしくお願いします!」


思ったより無難な挨拶だった。


これを志歩が聞いたら「私の印象どうなってるの!?」って言いそうだ。


その後もみんな無難な挨拶をしていた。


「初めまして。柳優です。よろしくお願いします」


俺も流れに乗っかって無難な挨拶で済ませた。


みんなが無難な挨拶をするのも当然だ。


1番楽しいであろう高校生活を、自己紹介で変な印象つけられて棒に振りたくない。


大体そんなことを考えているのだろう。


「よーし、皆終わったな。今から入学式あるから体育館へ行け~」


そうして俺たちは体育館へと行き何事もなく入学式を終えた。


今日は午前中で学校が終わるから家でゆっくり出来そうだな。


志歩はクラスにもういなかったので、先に帰ったようだ。


「しほりんどこに行っちゃったんだろ?」


クラスの女子たちが志歩の事を探し回っていた。


まあアイドルだから質問したいこととかあるわな。


家の前に着くと


「ガチャ」


志歩が俺が帰ってきたのを察知して鍵を開けたようだ。


「ありがと~って!なにやってんの!?」


そこには下着姿の志歩が仁王立ちしていた。



後書き


スクロールする片手間に応援と評価していただけると作者のモチベーションが上がるのでよろしくお願いします!







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る