第14話 揺れる心

シャングリラの月は静かに夜空を照らしていた。その静謐な光の下で、リナは心の奥底で揺れる感情と向き合っていた。


「これまでの戦いで、わたしは何を得たのだろう…そして、何を失ったのだろう…」


リナは静かな夜にその問いを投げかけた。彼女の力、反ノイズの力は間違いなく特別なものだが、それが同時に彼女を徐々に消耗させていた。


ソウタはそばで彼女の葛藤を感じ取りながら、言葉を探していた。彼女が闘志を失うことを恐れ、でも真実から目を背けさせることもできない。


「リナ…君が戦う理由は何だろう?」


その質問に、リナは言葉を見つけられず、ただ月明かりの下で震えていた。


そして、そこへアルベルト先生の声が響いた。


「リナ、強さは力だけではないんじゃよ。心の強さが最も重要だ。そして、その強さは時に自己を犠牲にすることもある。だが、それが真の強さじゃ。」


アルベルト先生の言葉は深くリナの心に響き、彼女は涙を流しながら微笑んだ。


「ありがとう、先生。わたし…わたしはこの街を守るために戦います。わたし自身が失うものがあっても…」


リナの決意に、ソウタは力強く頷いた。二人は再び立ち上がり、ノイズに立ち向かう覚悟を新たにした。


そして、新たな夜が明け、新たな戦いが始まるのだった。

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