第8話スーパーニートゲーマーは雑魚
『あーあーおは白。Gプロ所属のスーパーニートゲーマーの夕凪真白です』
そう言って画面内で左右に揺れながら淡々と挨拶している夕凪真白と名乗る少女は、少し外に跳ねしている白髪ショートボブにアメジストの様なキラキラと輝く瞳を持ち、服は少しダボっとした白と紫を基調にしたフードで、その隙間から見える肌は雪の様な白さをしていた。
なるほどなるほど……
それでスーパーニートゲーマーってなんだ?
いや、夕凪真白さんって言う人がニートでゲーマーなのはわかるんだけど、何処がスーパーなんだ?
と言うかvtuberやってるならニートではなく無いか?
あまりvtuberについて詳しく無い夏樹は、そのvtuber特有の謎設定に首を傾げていた。
『それじゃあ今日は今度の大会に向けてEPEXをプレイして行きたいと思います。今日でランクプラチナ行けるかな?』
そう最後の方をボソリと呟いた夕凪真白の現在のランクはゴールド1だった。
「なるほどね……今ゴールド1なら何時間やるか知らないけど、プラチナ4ぐらいなら普通に行けんじゃ無いかな?」
ゴールド帯ならまだギリAIMが悪くても立ち回りさえ覚えたら、チャンピオンは兎も角上位順位は簡単に取れるので、接敵しても無理に突っ込みさえしなければ楽勝だと思いながら、コーチングする際にアドバイス出来る所は有るかメモ帳片手に配信の続きを見たのだが……
『きゃっ!』
『うわ〜何今の人めちゃくちゃ上手く無い?もしかしてプロ?』
『あー撃ち負けた……』
『え!?今どこから撃たれた?』
「なんじゃ!このど下手くそは!その実力でどうやってゴールド1まで行ったんだ???」
あまりにも……想像以上に下手で、驚いた夏樹はその場でゲーミングチェアから勢いよく立ち上がり大声で叫んだ。
夕凪真白は音を聞いてないのか、近くで足音が聞こえて居るにも関わらず遮蔽に隠れることも無くそのままやられたり、敵と接敵すると何故か遮蔽物に身を隠しながら撃つのではなく、銃を片手に敵に単身突っ込んでそのまま負けたりと、その余の惨状に目を伏せたくなった。
「ま、まぁでもこれはこれで教え甲斐がある…………のかな?」
結局その後も夕凪真白は無闇に敵に突っ込みまくった結果、ランクがゴールド1からゴールド3まで下がって配信は終了した。
「本当に大丈夫かこれ?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます