第2話入学したら婚約者に出会いました。

とうとう魔法学園への入学。俺はこの世界で推しである悪役令嬢の破滅フラグを回避し、最終的にはみんな仲良く友情ハッピーエンドを目指すことにした。ちなみに怪我を知られるのは立場上あまりよろしくないらしく、社交会への参加が禁じられていたため俺がラズベルトの友人達と直接会うのは初めてである。まぁ前世ではゲームで毎日のように一方的とはいえ顔を合わせてはいたのだが。

 

リボンを整え、自信の溢れる顔で校門をくぐる。そして、転ぶ!!可愛らしいドジっ子キャラ、そんな彼女こそこの乙女ゲー世界のヒロイン、「アメリア・バロット」平民では珍しく魔法の素質があり特例で魔法学園の入学試験を受けさせたところ、なんとトップの成績を収めた紛れもない才女。そうして才能を認められ魔法学園への入学を認められた。


「まぁ!こんなところでうずくまっていては通行の邪魔でしてよ!!さっさとお立ちになったらどうなの?あら、もしかして貴方、平民でありながら入試成績トップで特例入学のアメリア・バロットさんでして?貴方、ここが貴族の学び舎であることをわかっていらっしゃるの??」


そう叫んだのは公爵令嬢であり、ラズベルト・ガゼルの婚約者。「ローゼリア・アスタロッテ」である。彼女はこの乙女ゲー世界のいわゆる悪役令嬢。さっそく主人公に絡んでいるようだが……可愛い゙い゙い゙い゙!!!!!ヒロインよりも可愛い圧倒的ビジュアル!!実際に見るとゲームで見た何百倍、いや何億倍も可愛いいいい!!


「は、はい…すみません、!」


あ、そうだった彼女達は会話中だったな。


「そうわかってここにいらっしゃるのね、それならば貴方さぞかし—————」 


ここでローゼリアは言葉を区切る。そこに口を挟んで


「さぞかしお優しいご両親に育てていただいたんだろうね。ローゼもそう思わないかい?」


「でっ、殿下!?!?」


綺麗な金髪の縦ロールを揺らし、赤いルビーのような瞳を見開かせこちらに振り向く。


「この学園では例え成績トップだろうと学費の免除なんてしていない、多少の支援はあるがそれでも平民からしたら高い額だろう。ローゼもそれは知っているだろう?」


そう、この学園は貴族のために作られたものであるがゆえに学費が馬鹿みたいに高い。前世での普通の私立高校の軽く2、3倍はするのだ。だがそんなの貴族なら関係ない!!!何故って?金があるからだ!!!でも平民はそうはいかないのだ。貴族でもそれくらいは知っているはずだ。


「えぇ…まぁ、そうですわね、」


「そう、そんな高い額を支払って学園に通わせてくれるなんてなんてお優しいご両親なんだろうか!素晴らしいと思わないかい!?」


するとアメリアが肩を震わせながら


「そんな、!!まさか王太子殿下からそのように言われるなんて、!!!」


と嬉しそうに言う。ローゼリアは申し訳なさそうな顔をし、片手でアメリアの手を取り、もう片手で扇を広げ恥ずかしそうな顔を浮かべつつ口を開く。


「さ、先程は……申し訳ありませんでしたわ、アメリアさん。」


「はい、!だ、大丈夫です…その、ローゼリア・アスタロッテ様、ですよね?ええっと…その、ローゼ様とお呼びしても、??」


「っ……え、えぇ!お好きに呼べばいいわ!!」


どうやら2人は仲良くなれたようだ。いやぁーよかったよかった。……何か忘れてるような、、


「あーーーーっ!!!!!」


突然アメリアが声を上げる。何かあったのだろうか?


「やっといました殿下!!さぁ、早くしないと入学式に遅れてしまいますよ!!!」


そう言って走って来たのはアレクだった。……入学式!?!?忘れていた!!!!!


「みんな、急いで!!話は式のあとだーーーーっ!!!」


俺はそう叫び、走るのは端ないのでとにかく早歩きで入学式へと向かった。そしてなんとか無事式を終え、ゲームの物語本編である学園生活が始まるのだった。




     * * * * *


2話続けてこんにちは。あきづ。です。正直ネタっぽくなってしまいましたが山あり谷ありネタありという感じで楽しく見ていただけたらと思います。ローゼリア嬢は皆さん大好きツンデレ悪役令嬢です。めちゃくちゃビジュのイメージ悩みました。でもやっぱり悪役令嬢には縦ロールが1番ですね。

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