高校生活を楽しんでたら成績が優秀すぎて軍隊の将校にさせられていた件について。

水鳥川倫理

第1話、高校生活を諦め軍へと入隊する。

俺は、地元の名古屋にある一番頭の良い私立晴嵐高校に入学して


1年が経ったある春の昼下がりのこと。


いつものように仲の良い友達と学校の屋上で


世の中について話しながらお弁当を食べていた。




「なぁ、水樹?」


「なんで今の日本は戦争しているんだ?」


「なんでかは自分にはわからない。けどこの国の命運が掛かっていることは確かだ。」


「でも、なんでわざわざ戦争なんて言う卑劣なことをするんだ?」


「それは、ねぇ.......。」




と話そうとした途端に


突然担任の先生に呼び出された。




「水樹くん?少し応接室まで来てくれる?」




「はぁ.......。」


「ダル。」


「お前、なんかやらかした?笑笑」


「そんなわけないだろ!!!」




「お前は、優等生でおまけにイケメンだから裏で何をしてるかわからない。」




「真面目な顔でふざけたこと言ってんじゃねぇー!!!!」




と先生の前でふざけあいっこしながら友達と話していると




担任の先生が


「いいから早く来なさい!!!」


とちょっと怒ったような感じで言ってきた。




俺は、友達とのお弁当の時間を諦めて先生に着いていった。




突然の出来事で特に呼び出されることをしていなかったので、


何が何だかわからなかったまま、俺は先生の言うがままに応接室へと向かった。




その道中に担任の先生が周囲を確認して誰もいないことを確認してから


急に申し訳なさそうに誤ってきた。




「水樹くん。」


「本当にすまない。申し訳ないことをした。」




そこで俺は、先生を明るくしようと




「大丈夫ですよ!なにがあっても受け入れますから!」


と元気よく返したが、






後にこれが仇となる。






担任の先生をひたすら慰めながら歩いていたらあっという間に応接室に着いた。


応接室はあまり入ったことがないので俺は、少し緊張した感じで応接室に入った。




そこには軍人さんが三人と校長先生に教頭先生がいた。




「お?来たか?」




「いやぁ、突然呼び出してすみません。」




と校長先生が俺に言うと




俺は


「いえいえ、」


と軽く会釈した。




俺は特にやらかしたわけでもなく表彰されることもしていないし、


ましてや軍人さんになんてと考えていたら




このただならぬ雰囲気から何となく状況が分かってきた。




今、戦時中の日本できっと若者の力が必要でついには高校生にまで


戦力として動員するのか考えていたらこの中の軍人さんで一番偉そうな人が話し始めた。




「いきなりで申し訳ないが、


私は武田戦極たけだせんごく陸軍中将である。」




「私の右隣にいるの人が鮫嶋豪気さめじまごうき陸軍大佐で


彼は、軍の中でもトップクラスの頭脳明晰で頭が切れる。


そして、左隣にいるの人が、飛鳥馬澪あすまみお陸軍大尉で彼女は、


軍の中でも多くの部下に慕われてしかも、頭脳明晰で、


しかも上司や部下の相談役でもある優秀な将官である。」




と軍人さんが自己紹介をさらっとすませ、




「君は水樹颯みずきはやて君だったかな?」




そう言われて俺はこくりと頷くと、


俺は何かを悟った。


なんか物凄く嫌な予感がして寒気がした。




すると、武田中将がいきなり大きな声で


「君をわが軍の参謀となり皇国の命運をかけた職務を全うしていただきたい。」




と言われ俺は急すぎる展開に俺は、驚きを隠せなかった。




内心


(えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええええええええ)


と思ったが口には出さなかった。




なぜならこの雰囲気で大声出したもんなら後々どうなるかわからないからだ。




そこで校長先生が


「無理にとは言わないが、この国の命運がかかっていることだけは理解していただきたい。」




その校長先生の言葉に教頭先生が頷く。




と言われて嫌々そうな顔をした俺を見てそこに付け加えるかのように鮫嶋大佐が


「君は、高校生でまだ若い。特別に既得権益を保証し、ある程度の高い身分を保証する。」


「防衛省のある内地での勤務にし、そこで、今後の作戦や武器、兵器の立案をしてもらう。


君のIQや学力を見れば余裕にできる。そして、君の軍人としての身分を『陸軍中佐』とする。」


「さらに飛鳥馬澪大尉を水樹君の副官にすることを約束する。」




日本男児として約束は守るし、二言は無いと鮫嶋大佐が言った。




それを聞いてなかなか無い、特例中の特例の良い条件だと思ってしまった自分がいた。


俺は、まず先にずっと軍にいた飛鳥馬大尉はこれで良いのかなと心配したが、


これで良しと思っているのかのように平然としていた。


まぁ事前に知らされていたのかなと俺は思った。




まぁこんな俺だが、この学校で一番成績が良いどころか日本で一番頭の良く、


IQも200以上ある高校生でもある。




そんな俺にどんな用かと思ったらこんな用だったとは…。




なんか地獄なような天国なようなよくわからない感じだった。




俺は30秒ほど沈黙し、家族のこと、友人のこと、


俺を大切にしていた担任の先生のことを考えていた。


そして俺は、校長先生に向かって




「校長先生!俺入隊します!」


「この国のために入隊してきっとお国のために役に立ってきます!」




すると校長先生が不安げに確認した。


「本当にいいんだな?」




と言い俺は、


「はい!!!!」




と返した。




まぁ防衛省のある内地(東京)での勤務に、身分は陸軍中佐で、こんなに可愛らしい小柄で、


黒髪ロングでスタイルも抜群でおまけに美人でさらに俺とほぼ変わらない見た目。


俺にはもったいないくらいの副官が着くなんて、


こんな好条件滅多にないと考えれば、心の中で笑いが止まらなかった。






そう考えているうちに校長先生が武田中将に向かって




「うちの水樹君をよろしくお願いします。」




と頭を下げた。




そして俺はこの日を境に


『日本陸軍軍参謀の水樹颯中佐』となった。




急な展開過ぎて俺は戸惑いを隠し切れなかった。




鮫嶋大佐が


「いきなりで申し訳ないが、君は今月いっぱいでこの私立晴嵐高校を退学してもらう。


そして、来月の四月から防衛省の参謀として職務を全うしてもらいたいが、いきなり仕事はきついだろうから、


特別に、軍大学に特別入学生として通いながら少しずつ仕事をしてもらう。


今週中には仲の良い友達やお世話になった先生にあいさつしときなさい。」




それに引き続き


「一応このことは軍の機密事項だから軍隊に行くことになったとは誰にも言ってはいけないよ。」




その言葉に俺は頷いた。




今の俺は可愛い副官が着くと嬉しさと


仲の良い友達と別れるという悲しさが混じりあい複雑な感情だった。




そしてあっという間に一か月が終わり、友達や先生との別れを済ませ俺は軍へと入隊した。

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