第667話
クロード、詩織、翠と神殺し達は本社へと戻ってきた。
「なんとかなったようじゃな」
そこに天照大神が顔を出す。
「神力をまき散らす形となって申し訳ない」
「いや、あのまま龍脈に寄生されていたらもっと被害は深刻になっていたはずじゃ」
「そうそう。本来ならもっと早く手を打つ必要があったんだ。気にするな」
建御雷神もそうフォローを入れてくれる。
「それと、お主に精霊王から伝言を頼まれておる」
「伝言ですか?」
「オーディンの奴が色々暴れまわっておるそうじゃ」
「オーディンがですか?」
「どうも管理する世界に神力をまき散らし魔物の動きを活発化させているようじゃ」
「それは・・・」
元々、魔物の発生頻度は上がっていた。
そこに魔物を生み出すような行動をすれば対応できない地域もでてくるだろう。
「なるべく早く戻った方がいいじゃろうな」
「そのようですね」
「そこでじゃ。以前、ここに張ってある結界に興味を示していたじゃろ?」
「教えてもらえるのですか?」
「構わん。この世界を救ってくれたわけじゃしな」
「ありがとうございます」
「では、時間がもったいないし早速いくかの」
天照大神に連れられ本社の地下に降りていく。
「ここは・・・?」
「結界の心臓部といってもいいかの。色々施しているが見て回るといい」
「はい」
クロードは隅々まで刻まれている結界を観察する。
基礎の部分はクロードが神だった頃に開発したものが使われているがかなりの部分が改良されている。
「これは凄いですね」
規模もそうだが、これだけの改良を加えるのは並大抵の努力ではできないだろう。
「ふふふ。もっと褒めてもいいんじゃぞ?」
そう言ってどや顔で天照大神は胸を張る。
だが、クロードはそちらを見ることはなく結界に夢中だ。
「そうじゃったな。お主はそういう奴だった・・・」
「何か言いました?」
「嫌、なんでもない。それで、再現はできそうかの?」
「ここまで綺麗にまとめるのは難しそうですがなんとかなりそうです」
コンパクトにまとめるのは難しいが拡大すればなんとか再現は可能そうだ。
後は実際に試してみるしかないだろう。
「そうそう。今日は宴会を開く予定じゃ。満足したら顔を出すんじゃぞ」
「わかりました」
それだけ言って天照大神は去って行った。
クロードはその後も結界の細かい部分を見てまわった。
「クロードいる?」
「詩織さん。どうしました?」
「どうしましたって・・・。全然戻ってこないから呼びにきたのよ」
「すみません。夢中になってしまってすぐ行きます」
クロードは最後に結界全体を見てからこの場を後にした。
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