第660話
それからさらにクロードと建御雷神は戦い続けた。
1か月も続けているととうとうこの世界から妖怪を駆逐することに成功した。
「さて、妖怪は全て排除しましたけどどうします」
「支配権を奪えるかどうかだけやってみるか」
建御雷神がそう言うと神力を放出していく。
建御雷神の神力が世界全体に広がり染み込んでいく。
クロードはその様子を眺めていた。
「んっ・・・。なんだこれ。あと少しで奪えそうなんだが何かが邪魔で成功しねぇ」
「やっぱりそうですか」
「わかっててやらせたのかよ。神力の無駄遣いじゃねぇか」
「いえ、そうでもないですよ。神力が残ってるうちは妖怪が発生しませんから」
「戦い続けるのとどっちが得か・・・。まぁ、とんとんってところか」
クロードと建御雷神は転移魔法で地球に帰還した。
いきなり現れた2人を天照大神は笑って迎え入れる。
「2人揃ってどうしたの・・・」
「異世界の妖怪を全て倒してきました」
「ずいぶん頑張ったのね。建御雷神がいくら倒しても減らねぇって愚痴ってたのに」
「俺はいつも通りだったからな。クロードのおかげだ」
「それで次の修行先をご所望かしら」
「いえ、その前に倒した妖怪の処理をしてもいいですか」
「妖怪の死体がねぇと思ったら全部回収してたのかよ」
「何かに使えないかと思って。少なくとも魔石は回収できますから」
「嬉しいわ。魔石は常に不足しているからあればあるだけ助かるもの」
「俺はみみっちい作業は苦手なんだよ」
「貴方にはクロードの爪の垢でも飲ませたいわね」
「俺は戻る」
そう言って建御雷神は転移してしまった。
「逃げたわね」
「逃げましたね・・・」
「まぁ、冗談は置いといてそう言うことなら作業用のスペースがあるから案内するわ」
クロードは天照大神に案内されて作業用のスペースに移動した。
「何か手伝うことはあるかしら」
「いえ、長丁場になりそうなので1人で大丈夫です」
今、クロードは分体を2体まで出すことが出来るようになっていた。
分担して作業すればそこまでの労力ではないだろう。
「そう。なら戻るわね」
そう言って天照大神は戻っていった。
クロードは妖怪の死体をアイテムボックスから取り出して次々に処理をしていった。
使えそうな部位を見つけては確保して残りは焼却していく。
休憩をしつつも黙々と作業を続け1週間ほどをかけて妖怪の死体の処理が完了した。
取り出した魔石を資材課の人に渡したら泣いて喜んでいた。
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