第656話

赤子は爪がはがされ、皮膚の皮もはがれていた。


殴られでもしたのだろうか痣も確認できる。


このまま放置すればそのまま死んでしまそうだ。


クロードはエクストラヒールをかけ治療する。


これでとりあえずは大丈夫だろう。


クロードは魔力の澱みを感じ取る。


フードの男達が魔法を詠唱している。


クロードは無詠唱でライトニングボルトを発動し男達を一網打尽にする。


最悪の犯罪者共であるが捜査の為にも捕縛の方がよいと思ったからだ。


だが、その気配りは無駄になった。


突然太った悪魔が現れ男達をムシャムシャと食べ始めたのだ。


「まずい。まずい。まずいぞぉ」


そう言いながらも悪魔の手は止まらない。


突然の奇行に思わず動きを止めてまった。


悪魔はこちらを見て突っ込んでくる。


その突進を障壁を張って防ぐ。


ドシンと音がするがその程度の攻撃で敗れる程、柔な障壁ではない。


だが、悪魔の方もそれであきらめたわけではなかった。


「赤子ぉぉ。赤子をよこせぇぇ」


さっきから凄い勢いで叩いてくる。


障壁がミシミシ音をたてる。


このままではまずいと転移魔法で悪魔の後ろに移動する。


悪魔はこちらを見失ったのかキョロキョロしている。


クロードは神炎を放ち悪魔を葬った。


戦闘を終え、探索魔法を発動する。


他に脅威になりそうなものも生者の反応もなかった。




クロードは赤子を連れて上の階に戻る。


そこではフランソワがインプを相手に大立ち回りをしていた。


インプの爪かすったのか服は破け血がにじみ出している個所もある。


「フランソワさん。大丈夫ですか」


「こちらは大丈夫です。行ってください」


まずは赤子の安全を確保するのが第一だ。


外に出て待機していたジェフリーさんに赤子を託す。


急いでフランソワの元に戻ったクロードが見たのはインプの魔法が直撃したフランソワの姿だった。


フランソワが崩れ落ちる。


クロードはインプをエアカッターで始末し急いでフランソワの状態を確認する。


息はある。


ほっとしてエクストラヒールをかける。


これで一先ずは大丈夫だろう。


インプは先ほどのが最後の1体だったようで現れる様子がない。


気を失っているフランソワは抱えて建物の外に出る。


「大丈夫ですか」


「怪我は直しました。気を失っているだけです」


ジェフリーさんの車に乗り込み病院に向かってもらう。


組織と繋がりのある病院だそうで最優先で赤子とフランソワの状態を確認してくれた。

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