第646話
天照大神の部屋に向かったクロードは座布団を勧められ着席する。
「それで、面倒なことって何が起きたんですか」
「うむ。他の国にもこのような組織があるのだがそこからの救援要請じゃ」
「救援要請ですか」
「うむ。どうも、手に負えない悪魔が猛威を振るっているらしいの」
「他に情報はないのですか」
「問い合わせたが、討伐に向かった者の死体しかなかったそうじゃ」
「ふむ・・・。正体不明の相手ですか。負けるとは思いませんけど面倒くさいですね」
「だから、面倒だと言ったじゃろ」
「それで、どこに向かえばいいんですか」
「イギリスじゃな」
「またずいぶんと遠いですね」
「すまんが飛行機で行ってくれんかの」
「パスポートとかなんですけど」
「それならここにある。後、飛行機とは言ったがプライベート機だから大丈夫だろう」
「また、ずいぶんと手回しがいいですね」
「必要になると思ったからの」
「まぁ、わかりました。行ってきます」
こうしてクロードは組織の人に成田まで送ってもらい空の人となった。
飛行機に乗るのははじめてであったし、快適な空の旅を楽しんだクロードはイギリスの地を踏んだ。
「ここがイギリスか」
クロードがキョロキョロ見まわしていると迎えの人がやってくる。
シスター姿の女性だ。
「貴方が、クロードかしら」
「はい。お世話になります」
「まずは移動しましょうか」
空港を出ると車が止まっていてそれに乗り込む。
「私はフランソワよ。それにしても貴方のような子供が送られてくるとはね」
「ご不満ですか」
「いえ、そういうわけではないのよ。でも、貴方も大変ね。その歳で退魔師なんて」
「まぁ、強制されたわけではないですからね」
クロードはそう言って誤魔化す。
「話では相当の数の人が犠牲になったと聞きましたが」
「もう20人以上犠牲になっているわ」
退魔師の20人はかなり痛いだろう。
日本のように神の血を取り入れ組織を維持しているが退魔師の数はそこまで多くないはずだ。
「もう、通常の任務にも影響がではじめてるのよね」
「悪魔のいる場所の目星はついているんですか」
「占いの専門家がいるから補足はできているわ」
「なるほど」
日本のほうでも危険指定の妖怪は定期的に儀式で場所の特定をしているらしい。
こちらでも似たようなことをしているのだろう。
車はどんどんと田舎の方に向かっている。
悪魔を討伐したら観光とかできないかなぁと思いつつ眺めているのだった。
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