第578話
この日は、狩りは休み休日である。
クロードとしてはゆっくりする予定だったのだがイフの家には朝早くからハイエルフ達が押し掛けていた。
事情を聞くと料理を教えてほしくて集まったとのことだった。
やる気は凄いのだが彼等は料理初心者である。
手始めとして野菜を洗い切ってもらったのだが野菜は不ぞろいの状態だった。
そのまま食べるのならまだよいだろう。
しかし、火を通そうとした時に問題が起きる。
素材の大きさが均一でないと茹でるにしろ炒めるにしろ火の通り方にばらつきが出る。
そうなると食べた際に柔らかすぎたり固い物が出たりと触感が台無しになってしまう。
教えるからには妥協はしない。
と言うわけでハイエルフ達はひたすら野菜を切る作業を続けさせられた。
何度も同じ作業を続けさせられ不満を言う者もいるがクロードは聞き入れなかった。
ちなみにであるが大量に出た不ぞろいの野菜はクロードが回収し前に作っておいたフードプロセッサーの魔道具でドロドロになるまで粉砕しペースト状となっている。
かなりの量が出来上がってしまったが瓶に保管して今後の料理に生かす予定だ。
カレーに入れたりスープの隠し味として混ぜたり色々応用が可能だ。
ハイエルフ達には野菜を切る練習を続けさせクロード自信は昼食の準備に取り掛かる。
彼等は美味しい料理を食べるために集まったのだから美味しい料理をご馳走すればモチベーションも維持できるだろう。
米を炊いておきまずはイフから受け取った野菜を手早く切っていく。
この辺の作業は手慣れたものであり苦とすることはない。
野菜を切り終わり次に着手する。
ハイオークの骨を煮込み出汁を取る。
丁寧に灰汁を取っていき透明になったら骨を引き揚げ火の通りにくい野菜から投入していく。
その間にハイオークの肉をスライスして加える
よく火が通ったら最後に胡椒と塩で味を調える。
他の調味料を使わなかったのは世界樹では入手が難しいからだ。
彼等のやる気次第ではあるが調味料を作り出すことは可能だろうが調味料が作れるようになるのはかなり先になるだろう。
そうなってくると今、実現可能な料理を提供したほうがやる気に繋がるだろう。
周囲を見てみれば期待する視線がいくつもこちらを向いていた。
全員にスープと米を配り反応を待ってみる。
人と言うのは美味しい料理を食べると言葉を失うというがハイエルフ達も同じようだった。
あっという間に食べ終わりお代わりを要求をしてくる者までいる。
この様子なら午後からも頑張れるだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます