第535話

クロードは世界樹400層に到達した。


門を開きボスへと挑む。


400層のボスは白い巨大な鯨にその子供である子鯨達だ。


侵入者に気づいた鯨達はその大きな口を開き光線を放ってくる。


その行動をわかっていたクロードは余裕を持って光線をかわす。


そして子鯨達が物凄い勢いで突進してくる。


この鯨達の行動は初見殺しとしてゲームの時は有名だった。


光線で体力を削り体当たりで殺しにかかってくる。


クロードは体当たりをかわしつつ剣で子鯨達にダメージを与える。


ダメージを食らった子鯨は動きが鈍くなりそのまま放置する。


この時、子鯨を殺してしまうのは悪手だ。


親である巨大な白鯨は子供を殺されると怒りで強化されとても厄介な存在へと変化する。


クロードは体当たりを仕掛けてくる子鯨達を殺さない程度に痛めつけるに留めて置く。


親である巨大な白鯨が大きな咆哮を発する。


超音波が発生し一瞬クロードの動きが止まる。


そこを狙い撃つように子鯨達が再び光線を放ってくる。


クロードは体の動きが戻ると同時にギリギリで躱し足さばきだけで巨大な白鯨に肉薄する。


ライトニングボルトを無詠唱で放ち巨大な白鯨の動きを止め剣で六芒星を描き最後にその中心に剣を突き立てる。


その瞬間、六芒星の中心から光が放たれ巨大な白鯨を包み込む。


剣技と魔法の合わせ技でダビデの光である。


ダビデの光は強い聖属性の技であるが六芒星を描かなければいけないことから相手の動きを阻害する必要があった。


驚いたことに巨大な白鯨は体中がボロボロであるがまだ息をしていた。


クロードが巨大な白鯨の頭に剣を突き立てると強い光を発しながら消えていった。


今回、クロードがダビデの光を使ったのには理由がある。


巨大な白鯨は水属性であり聖属性も併せ持つ。


聖属性の技で倒すと水属性と聖属性を併せ持つ革を高確率で落とすのである。


クロードの目論見はあたりドロップ品には水属性と聖属性を併せ持つ革が含まれていた。




上空に気配を感じそちらを見ると精霊が漂っていた。


「試練突破おめでとう」


どうやらこの階層のボスも精霊が姿を変えた物だったようだ。


「聖属性の技で倒すとかやるねぇ。そんな君にはこれをあげよう」


そういって一つの水晶がゆっくりと落ちてくる。


パッと見た感じ水と聖属性の力を含んだもののようだ。


「ありがとうございます」


「使い方はハイエルフ達にでも聞いてね。それじゃ、この後も頑張って」


それだけ言うと精霊は去っていった。

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