第394話

4層で順調にワーカーアントを狩り続けていたのだが5層に行ってみたいという意見が出てクロード達は5層まで降りてきていた。


しかし、予想に反して5層のワーカーアントは数が少なく時間はかかるが学生達だけで討伐することが出来ていた。


「これはちょっとまずいかもしれませんね」


「領主様は数が少ないのに何か心当たりがあるんですか」


「クイーンワーカーアントがいる可能性があります。卵の防衛のために階層内のワーカーアントが集結しているかもしれません」


「一度引きますか」


ボスであるクイーンワーカーアントがいるなら一大事だ。


現状の戦力で討伐しようと思えば苦戦するだろうとの判断だがクロードは否定する。


「集まっている今がチャンスです。散られては討伐に時間がかかるでしょう。皆さんには僕が討伐している間、周辺のワーカーアントの相手をお願いします」


慎重にしかし迅速に奥に向かうとクロードの予想通りワーカーアントが集結しており奥には白い卵のようなものが見える。


「あれが卵・・・。なんだか気持ち悪いですね」


「幸いまだ卵の数は少ないですね。これならなんとかなるでしょう」


部屋に足を踏み入れるとワーカーアント達が一斉にこちらに向かってくる。


クロードは向かってきたワーカーアントを上級魔法であるインフェルノでまとめて焼き払う。


卵の危機をかぎつけたのか後ろからもワーカーアントがやってくる。


「後ろは皆さんにお任せします。僕は部屋の中のを掃討します」


支援魔法をかけられたエリーゼと高等部の生徒に護衛役である元冒険者達は通路からやってくるワーカーアントの討伐をはじめた。


クロードが部屋の中のワーカーアントと卵を片付けた頃には後ろからやってきたワーカーアントの討伐も完了していた。


「4層のワーカーアントとは大違いですね」


「このまま討伐を続けましょう」


奥へ進めば進むほど部屋の中にいるワーカーアントと卵の数は増えていく。


同行しているメンバーは疲労の色が見えているがボスクラスの魔物に時間を与えては不利になっていくためここでは無理をしてもらう。


目標であるクイーンワーカーアントを捉えたときにはクロード以外のメンバーは疲労困憊だった。


エリーゼは意地でワーカーアントに立ち向かっていく。


一番年下の少女が頑張っているのに自分達が音をあげるわけにはいかないと高等部の生徒と護衛の元冒険者達も奮起する。


クロードはその間に部屋中に上級魔法のインフェルノを放ちクイーンワーカーアントとのタイマンの状況を作りだしていた。

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