第356話
活気のない雰囲気が気になりつつもクロードとエリーゼは大和国の都をまわっていた。
エリーゼは綺麗な着物を気に入ったようで何着もの着物を買い込んでいた。
クロードはクロードで港町にはなかった多様な味噌や醤油などを大人買いして都の探索を満喫していた。
夕食をとろうと宿に戻ってきたクロードとエリーゼは焼き魚定食を楽しんでいた。
香ばしく焼き上げられたイワナがパリパリに焼き上げられほのかな塩ととてもマッチしている。
美味しく食べていたのだがそこに闖入者が現れる。
統一された装備をつけている衛士達である。
「この娘が連絡のあった娘か。連れていけ」
クロードはエリーゼを守るように立ちふさがる。
「待ってください。僕達が何かしたのですか」
「ええい。男にはようはない。邪魔たてするとタダでは済まんぞ」
一触即発の空気の中着飾った男が衛士達の後ろから現れる。
「まぁ。待て。何も知らずに連れていかれるのでは納得できんだろう」
「貴方は」
「この都の治安を守る衛士長の藤原忠盛と申す」
「クロード・フォン・プロミネンスです」
「大陸の貴族か。問題を起こしたくはないが来た時期が悪すぎる。すまないが娘は確保させていただく」
「何故ですか」
「現在、この国は八岐大蛇という化け物の対応に困っておる。1年に1回生贄の娘を差し出さなければならないのだ」
「それでエリーゼを生贄に差し出すと」
「その通り。幸い我が国は大陸と距離がある。生贄に奉げたとして大した影響はない」
「引く気はないのですね」
「説明はした。来た時期が悪かったと諦めてくれ」
衛士達が一斉に動き出すがクロードはライトニングボルトを発動して衛士達を鎮圧してしまう。
「力づくでくるというのならこちらにも考えがあります」
クロードはクイックで刀を手にすると忠盛の喉元につきつける。
「これ程の力があるとはな。だが私にも引けない理由があるのだ」
どうやら死んででもやり遂げなければならないという信念を感じる。
「八岐大蛇を討伐できるといったらどうしますか」
「今までも八岐大蛇に多くの強者が挑み失敗するたびに大きな被害を出してきたのだ」
「大丈夫よ。そこいらの強者とは比べ物にならないぐらいクロードは強いわ」
「確かに衛士をあっという間に倒した手品は見事だった。だが私の独断ではどうすることもできない」
「ならば責任者と交渉するのみです」
「責任者とか。わかった。ついてきてくれ」
クロードとエリーゼは忠盛の後に続いて御所を目指すこととなるのだった。
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