第285話
クロードは竜騎士団に魔物の掃討を任せ一人転移門があるであろう場所を目指していた。
魔物の流入を防ぐ目的もあったが稼働している転移門を停止させ鹵獲する目的もあった。
目的の場所には転移門を守るようにヘルハウンドの群れがたむろしていたが1匹1匹斬り殺していく。
周辺の安全を確保したクロードは転移門を停止させるために近づくが自分達の技術とはまったくの別物であることが発覚する。
見たことのない文様なのはまだいいが動力源と思われる宝玉は見たことすらない。
宝玉を恐る恐る抜いてみると転移門は停止した。
色々興味のそそられる状態ではあるが今はミッシア辺境伯領の治安を解決するのが最優先である。
クロードは次の転移門を停止させるべく動くのだった。
ライヒルト公国に協力した魔人達は転移門を設置した後、隠蔽の魔法を使い外見を人間に偽装した上で避難したゲルマン王国の村人達に紛れ観察をしていた。
ミッシア辺境伯家と周辺の諸侯の動きは予測していたが王都からの援軍の到達速度は恐るべきものがあった。
敵対する人間の国を焚き付け戦力の分散もうまくいっていたというのにこのザマである。
他の国を担当している魔人達がそれなりの成果をあげているというのにゲルマン王国を担当している魔人達は成果をあげられず同胞を失っているという現実に危機感を募らせていた。
結果を見届けた魔人達はいつの間にか消えており避難民を誘導していた兵士を困惑させることとなる。
村人達に確認すれば他の村の住民だと思っていたということでどの村の住民でもないということが分かり彼等は何者だったのかわからずじまいになる。
ミシリウスは魔物の駆除が終わった箇所から村人達を村に帰して復旧作業を開始していた。
家は壊され家畜は食われ畑は荒らされていたが護衛としてついていった兵士達と村人達は不平不満をいうことなく黙々と作業を続けていた。
食料などは持ち込んでいるのでまずすべきことは寝れる環境を整えるべく家の再建であった。
男達は近くの木を切り倒し木材を確保してそれを加工し壊れた箇所を修復していく。
女性達は荒らされていた畑の無事だった作物を植えなおし収穫を確保する。
家畜に関してはどこかからわけてもらうしかないため後回しにされる。
ミッシア辺境伯領を襲った魔物の被害は王宮騎士団や王都からの援軍。
クロードの率いる竜騎士団の活躍により終息へと向かっていた。
周辺の諸侯は被害にあった村が必要な物を提供してくれ村人達は以前と同じ生活とは言わないがしなければならないことに没頭することで今回の件を忘れようとしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます