第166話
問題は起きずクロード達は朝食を手早く済ませるとさらなる魔物を求め森の奥に向かって進んでいた。
クロードは相変わらず気配探知で魔物の位置を掴むだけでエリーゼに経験を積ませることを優先していた。
クロードの気配探知に高速で反応する魔物を捉える。
「何か来ます。気を付けて」
クロードはいつでも援護に入れるように身構え先輩達も気を引き締める。
現れたのは地獄の猟犬と呼ばれるヘルハウンドだった。
エリーゼに対応させるのは難しいと判断してエアカッターで仕留める。
「先輩。確認ですけどヘルハウンドなんてこの森には出ないですよね」
「あんな化け物は生息していないはずだ」
ヘルハウンドは魔界にも生息しているため転移門からやってきた可能性が高い。
「エリーゼと先輩達は森を脱出してください」
「クロードはどうするの」
「転移門がある可能性があるから排除に行ってくるよ」
「監督者として認めるわけには」
「いいえ。行ってもらいましょう。誰かが行かないと他の組も危険だわ」
了承が取れたことでクロードは一人で森の奥目指して進んでいく。
進路上のヘルハウンドを手早く片付けどのあたりにあるのか予想を立てたうえで行動したクロードはあっさりと転移門を発見する。
周囲には転移門を守るように大量のヘルハウンドがいた。
クロードは転移門を巻き込むような形でストーンバレットを放つ。
ストーンバレットは無数の石弾を飛ばす魔法だ。
ヘルハウンドの多くもストーンバレットで討伐され残ったヘルハウンドは個別にエアカッターを放ち討伐していく。
「なんてことを苦労して設置した転移門を破壊するとは許すまじ」
転移門の陰に隠れて気付かなかったが設置した魔人もいたようだ。
「こんな迷惑な物設置しないで欲しいな」
喋りつつもエアカッターを放ちその陰に隠れるようにして接近して魔人を斬り捨てる。
ストーンバレットでダメージを食らいエアカッターが命中してダメ押しの斬撃を受けて魔人はあっけなく消滅した。
クロードは念のため狩り残しのヘルハウンドがいないか高速で森をまわり夕方には転移魔法で森の入り口に飛んでいた。
森の入り口には演習に参加した全員が揃っており緊急事態ということで王宮騎士団が派遣されてきていた。
「クロード卿。森の状態はどうなっている」
「イリウム団長。転移門を発見したので破壊しておきました。森も念のため探索しましたがヘルハウンドの狩り残しはいないはずです」
「そうか。クロード卿が演習に参加していたおかげで最悪の事態は免れたな」
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