第142話

ゲルマン王国全体で転移門の対策が進み情勢が安定しているのを見計らいクロードは以前から考えていたゲーム時代に攻城戦で手に入れたアイテムを最強装備の指輪にすべくグリフォンで一路南を目指していた。




グリフォンの足でもかなりの時間がかかったが目的の神殿にたどり着いた。


神々しい雰囲気を放つ神殿の中に迷いなく進んでいく。


神殿の最奥にたどり着いたクロードは記憶を頼りに攻城戦で手に入れたアイテムを奉納していく。


最後のアイテムを奉納し終わると神殿が眩い光に包まれ中央には指輪が現れていた。


この指輪は所持者のステータスを50%上昇するという凄まじい性能を持っている。


早速装備してステータスを確認すると本来の性能を発揮していることがわかった。


揃えるのが難しいがぶっ壊れ性能であるこの指輪はチートに近い。


運営は何を思ってこの指輪を作ったのだろうと思うが現実となった今はありがたい。


神殿を出たクロードは転移魔法でニーパス領に戻ることにした。




クロードは出かけていた間に溜まった書類に目を通す。


特に問題は起きておらず周辺の領地含めて順調である。


このまま進めるように指示を出して自室に下がり紅茶を飲みつつ本を読むことにした。


今回読んでいるのは経営の勧めという経営に関して書かれた書物だ。


ありふれたことから実際の経験談をもとにして書かれたこの本は面白くそして参考になる。


「こういう方法もあるんだなぁ。実際に試してみたいけど難しいか」




本に熱中していたのだがノックで中断される。


「クロード様。失礼いたします。白桜と名乗る冒険者がきておりますがいかがいたしますか」


「白桜の皆さんか。僕のお客様だから応接室にお通しして」


「かしこまりました」


服装を念のため確認してクロードも応接室に向かう。


「よ。クロード。今は伯爵か。会うたびに偉くなっていくな」


「皆さん。お久しぶりです」


「クロード君。すご~い~」


「遅くなったが依頼のアダマンタイト製の武器持ってきたぜ」


「ありがとうございます」


「転移門騒ぎのせいで中々国元を離れられなくてな」


「こちらでも対処には苦労しましたから。Aランクパーティーの皆さんが抜けてミースールは大丈夫なんですか」


「あっちこっち飛ばされたが今は国の方でも対処してくれているからな。問題ないぜ」


「皆さんはこれからどうするんですか」


「しばらく依頼続きだったから観光して帰るつもりだぜ」


「美味しい物たべ~る~」


「そういうことならお勧めの店がありますよ」


クロードは白桜との旧交を温めつつ配慮するのであった。

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