第112話
子供でも自分が補佐をすれば舵取りは出来るだろうと見くびっていた。
だが蓋を開けてみればどうだろうか。
次々に産業を決めて投資する決断力。
未来を見据えた戦力の確保。
来るたびに仕事は山積していくが遣り甲斐を感じていた。
自分の任期はどれぐらいになるかはわからないが自分が担当の間は全力でお仕えしようと思わせる魅力に満ちていた。
「何か。困りごとかな」
「いえ。少し考え事をしておりました。全力で取り組ませていただきます」
「うん。信頼しているよ」
代官のミッシェルに指示を出し終えたクロードは再び素材集めに力を入れることにした。
ミースール鉱山地帯を再び訪れダンジョンに侵入して破竹の勢いで下層に降りていく。
お金はいくらあっても困らないため三層も乱獲してミスリルとオリハルコンを求め四層も乱獲する。
今回の最大の目的であるアダマンタイトを入手するため五層目にも秘策を引っさげ侵入する。
ワーカーアントと違いここに出るのはスケルトンワーカー。
つまりは不死属性の魔物である。
振るたびに魔力を持っていかれるが特効武器ともいえる聖剣エクスカリバーを手に一撃のもと狩っていく。
クロードは回復薬を飲みつつも手を休めることなく狩り続けていった。
沸いていたスケルトンワーカーを討伐しきったクロードはミースールの街にきていた。
大量に入手してきたアダマンタイトの加工をドワーフの爺さんにお願いするためである。
「こんにちは。ドワーフの爺さんいますか」
「おるぞい。お前さんは前にアダマンタイトのインゴットを大量に持ち込んだ小僧じゃないか」
「今回もアダマンタイトの加工をお願いしたいんですけど」
「鍛冶屋は金槌を振ってなんぼじゃ。いくらでも引き受けるぞい」
クロードは手に入れてきたアダマンタイトのインゴットをアイテムボックスから取り出す。
「ふははは。またこれは大量じゃの。腕がなるわい。加工代はこれぐらいになるが大丈夫じゃな」
「ええ。これぐらいだったら大丈夫です」
クロードは加工代を支払う。
「完成品はどうする」
「白桜の皆さんに運搬してもらえるように手続きしておきます」
「では儂は仕事にはいるぞ」
「よろしくお願いします」
クロードはドワーフの爺さんの元を辞した後冒険者組合にきていた。
空いていた受付に向かう。
「ようこそ。冒険者組合へ。本日のご用件はなんでしょうか」
「指名依頼をお願いします。指名先は白桜です」
「白桜への指名依頼ですね。内容はいかがいたしますか」
「加工を頼んでいる武器の運搬です。完成したらゲルマン王国のニーパスまで運ぶように伝えてください」
「かしこまりました。仲介手数料と依頼料はこちらになります」
クロードは全額前払いで支払いをすませるのであった。
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