第105話
「気をつけますってそういう問題でもないんだけどなぁ」
そこに一人の男が息をきりながら駆け込んでくる。
「ロビ。隣の闇ギルドの連中がこっちに向かってきてる」
「おぃおぃ。名前を言うんじゃねえよ」
「そんなことよりどう対応する」
「俺が話をしに行く。その間に人を集めろ」
「荒事みたいですね。僕も手伝いましょうか」
「これは俺達の問題だ。お前はここにいてくれ」
「わかりました」
ロビが家を出ると隣の闇ギルドの構成員が立ちふさがっていた。
「武闘派ばかり集めて俺達の島に乗り込んでくるとはどういうつもりだ」
「なあに。ここに貴族の坊ちゃんがいるはずだ。そいつを大人しく出してくれたら見逃してやるぜ」
隣の闇ギルドは金さえ積めば何でも引き受けるやばい組織である。
そこにクロードを引き渡せば問題の火の粉は当然こちらにも飛び火してくるだろう。
「何のことかわからねぇなぁ」
「とぼけるなよ。ここにいるってことは確認が取れてるんだぜ」
「兄貴。問答をしてても時間の無駄ですぜ。こんな奴一捻りして突っ込みましょうぜ」
「俺もこいつらが闇ギルドを名乗ってるのが気に食わなかったんだ。やっちまおう」
こいつらは話し合いができないタイプか。
面倒だなと思いつつも身構える。
「なるほど。貴方方は僕に用があったのですね。なんでしょうか」
いつの間に家から出てきたのかクロードが横に立っていた。
「おいおい。出てくるなよ」
「迷惑をかけるわけにはいきませんから」
「物分かりのいい餓鬼じゃねぇか。ちょっくら俺たちに誘拐されてくれよ」
「誘拐してどうするんですか」
「それはもちろん家族に身代金を要求するのさ」
「なるほど。僕が誘拐されれば身代金を払ってくれるでしょうね」
「妙に落ち着いてるな」
「だって貴方達ごときがいくら頑張っても不可能ですから」
「不可能だと。調子に乗りやがって」
相対していた一人がこちらによって来ようとするが痙攣しはじめる。
「おい。どうした」
「体がしびれ・・・」
よく見れば相対していた相手全員が痙攣していた。
敵対宣言をされたことで無詠唱でライトニングボルトを放ち即座に戦闘力を奪う。
「お前が何かしたのか」
「えぇ。対人用のライトニングボルトって魔法です」
そこに人を集めに行っていた男が戻ってくる。
「あんちゃん。呼んできたぜって何だこの光景は」
むさい男が五人のたうち回っているのである。
「丁度よかった。こいつらを衛兵に引き渡すので手伝ってください」
「はぁ。わかった手伝おう」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます