第77話

クロードは国内のダンジョンをまわった後、ミスリルやオリハルコンを求めフラン連合王国の空をグリフォンで飛んでいた。


フラン連合王国は小さな王国が寄り集まり連合を成している国である。


目的地はミースール鉱山地帯。


豊かな鉱脈を持ち他国に取れた鉱物を売ることで成り立っている。


目指すのはその中でも最大の鉱脈を誇るダンジョンだが生息する魔物も中々に手ごわい。


今回相手にすることにはスケルトンワーカーである。


不死属性を持つ魔物は耐久に優れタフなのが特徴だ。


ゲルマン王国と違いダンジョンごとに管理部隊を置いているわけではないのでダンジョンには拍子抜けするぐらい簡単に入ることができた。


ダンジョン内は溢れ出ようとするかのように大量のスケルトンワーカーで埋め尽くされていた。


「誰もいないから気兼ねする必要はないけどこれはさすがに予定外だな・・・」


クロードは文句を言いつつも弱点である初級光魔法であるホーリーアローを次々と放ちつつ近くのスケルトンワーカーに斬り込んでいく。


ドロップするアイテムは銅に鉄。


後は石炭である。




クロードは知らないことであるが、スケルトンワーカーの数があまりにも多く地元の冒険者が引き上げていた。


討伐依頼を受けた冒険者パーティーが向かってきているところだった。


そんなこととは知らず破竹の勢いで討伐を続けるクロードであった。




時間はかかったがクロードは安全地帯にたどり着いていた。


「ふぅ。それにしても本当に多いな。この様子だと目的の階層にたどり着くのは予定より遅れそうだな」


今は新開発した携行食のフルーツを練り込んだバーを食べているところである。


「バータイプは気軽に食べられるのがいいな。味も問題ないし帰ったら量産体制に入ろう」


食事を終えたクロードは残存魔力も十分であるため足取り軽く次の階層に足を踏み入れていた。




その頃、討伐依頼を受けた冒険者パーティーがダンジョンにたどり着いてた。


「なんだ。今にも溢れそうっていうから覚悟してきたのにそこまで多いようには見えないぞ」


「多数の冒険者が報告していたから誤報ってわけではないと思うが慎重にいこう」


「とにかく依頼の通り殲滅してまわりましょう」


「サクッと片付けて戻ろうよ~。怠い依頼だけど報酬だけはいいわけだし~」


「そうだな。ドロップは全て懐に入れていいしその上、討伐報酬もある。うまい話だ」


こうして冒険者パーティーはクロードが狩り残したスケルトンワーカーを討伐しながら下層を目指すこととなる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る