第13話

今日はいよいよ魔物討伐の日だ。


クロードは部屋で装備を確認していた。


洗礼で受け取った武器もすぐ使えるようにクイックですぐ出せるようにはしているが、メインで使うのは誕生日に父からプレゼントされた剣だ。


ゲーム時代に使っていた装備と比べれば大した物ではないがプレゼントされたのに一度も使われなかったとあっては可哀そうだと思ったのだ。


防具もしっかり装備して準備完了。


屋敷の前でカリオンと合流して街の外に広がる草原に向かう。


「草原に出てくる魔物はクロード様からしたら楽々狩れる程度の相手です。魔法は使わずに武器だけで対処するようにしてください」


「わかりました」


草原に入りしばらく進むとホーンラビットが2匹跳ねている。


こちらから攻撃をしなければ襲ってくることのない相手だ。


クロードは一気に距離を詰めると剣を抜きはなち一刀のもと斬り捨てる。


ホーンラビットは魔石とドロップ品である角と肉を残して黒い靄になって消えていく。


カリオンから見ても無駄がなく綺麗な太刀筋だった。


不安視していた生物の命を奪い取るということに忌避感を抱いている様子もない。


「クロード様。お見事です。この調子で狩っていきましょう」


この後もカリオンとクロードは草原で魔物を探して順調に討伐を続ける。




日が中天に昇った頃カリオンは声をかける。


「クロード様。そろそろ昼食を取りましょう」


「はい」


二人は何があっても対応できるように見渡しのよい場所に陣取って食事をはじめる。


今日のお昼は気軽に取れるようにと屋敷の料理長が作ってくれたサンドイッチだ。


肉には秘伝のソースが滲みこんでおり絶品だ。


バランスを考えて野菜を挟んだものはシャキシャキとして歯ごたえが良い。


昼食の後は再び二人で草原を移動して魔物を探しては討伐するのを繰り返した。




日が暮れる前に街に引き返してきた。


はじめての魔物退治としては戦果は十分だと言えるが経験を積ませるという意味では草原の魔物では力不足だった。


「クロード様。お疲れさまでした。明日は森の方に行ってみようかと思うのですがいかがですか」


「わかりました」


カリオンに屋敷まで送ってもらい部屋に戻り装備を外していく。


最後に剣を抜いて刃こぼれがないのを確認して鞘に納める。


今日は相手から襲ってくることがないとわかっていたので落ち着いて対応できたと思う。


森では見つかれば襲いかかってくるような魔物もいる。


それでも圧倒的なステータスと何より騎士団相手に磨いてきた技術があれば対応できるはずだと心に言い聞かせた。

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