第6話 お出かけ
今日新しく看守が入ってきたらしい。来ないでほしいものだがそこしか職業に着けなかったらしい。そしてその新しい看守が俺の目の前に現れた。
「...は?なんでお前が看守になっているんだよ」
そこには5日前ぐらいに出所した瑠偉がいた。
「いやぁなかなか職業につけなくてここならいけるんじゃね?と思ってやったらいけちゃったんだよね~あはは」
まじか確かにあいつは〇人犯で捕まったし、職業にありつくことも難しいだろう。でもだからってここに来るのは違くないか?でも、俺も瑠偉とは仲が良かったので、もしかしたら出してくれるかも...そう思い俺は「瑠偉、お願いなんだけどさここから出してくれない?戻ってくるからお願い」というと瑠偉は快く
「いいよ。じゃあ明後日には帰ってきてね」と言ってきた。こんなに簡単にいくなんて思ってなかったな。
そんなことを思っていると
「出るっていうけど君どこ行きたいの~?」と聞いてきた。まぁ当たり前か。「俺はジャンクフードが食べたい。あとゲーセンで遊びたいんだ」というと
「そうなんだ。行くんだったらこれ持っていきなよ」と言って5000円札くれた。優しすぎないか、感謝しかないな。
「ありがとう!絶対明後日までには戻ってくるね!」と言って雑居房を出た。
そうするとほかの看守が
「あ、お前当たり前のように出てんなよ。檻に帰れ」と言って近づいてきた。すると瑠偉が
「まぁまぁ戻ってくるって言っていたんだからいいじゃないですか」と言って看守を止めようとした。
「いやだめに決まっているだろ。何言ってるんだよ」と看守に突っ込まれていた。
「お願いです上司。こいつはうそをつくような奴じゃありません」
その瑠偉の様子を見てあきれた看守が
「じゃあお前がこいつについ行くんならいいぞ」と言って許してくれた。「やったありがとうございます上司!」と嬉しそうに瑠偉が言っていた。そして俺は一時的にだが解放された。俺は瑠偉と一緒に街へ行った。
そこでまず瑠偉からもらったお小遣いでハンバーガーとポテトとコーラを頼んで飲んだり食べた。久しぶりに食べるジャンクフードはこの上なくおいしかった。瑠偉も普通にハンバーガーを頼んで食べていた。瑠偉はもしかしてこれが目当てだったのかな。そのあとゲームセンターでUFOキャッチャーや、もぐらたたきで瑠偉と遊んだりもした。
とても楽しかったが、瑠偉の俺を見る目がなんというか小さい子がゲーセンではしゃいでいるのを見るあたたかい目だった感じがしたのが気になった。楽しかったんだけどね。
そんなこんなで日が暮れそうになった時瑠偉が
「もう帰ろうか~」と手をつないできた。ん?手をつないできた?俺の頭の中が?ってなっていると瑠偉が
「ご、ごめんね。つい弟のこと思い出しちゃって。君がゲームセンターとかではしゃいでいるからさ」と言いながら手を放してくれた。
なるほどね。だから手をつないだり俺を何とも言えない温かい目で見てきたということか。
「お出かけどうだった?」
「お出かけ楽しかった」などと会話しながら俺は瑠偉と刑務所に帰っていった。いや完全に親子か、兄弟じゃねぇかよ。
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