第15話 裸の付き合いをしよう!

 今日も俺と光は、静ちゃん・紗香ちゃんの共同部屋にお邪魔中だ。百合の時間はもちろん楽しいが、雑談も大切な時間だからな。


「あれから、2人で色々してる?」

〇首クリクリ以外のことだ。


「いえ、特には…。ですが紗香が毎日のようにやってきて…」

静ちゃんが答える。


毎日のようにやってるのか。相当ハマったんだな。


「別に良いじゃん。お互い触り合ってるんだからさ~。あたしだけ触るなら怒られても仕方ないけど」


紗香ちゃんは悪びれる様子を一切見せない。


「ねぇねぇ。次は何を教えてくれるの?」

彼女はワクワクした様子で俺を観る。


「紗香ちゃん、ずいぶん楽しみにしてるんだね?」

そのほうが好都合だが、理由が気になるところだ。


「まぁね。やり始めてから、お姉ちゃんとおしゃべりする時間が増えたんだよ~」


紗香ちゃんはエアクリクリをし始める。見事に嫌らしい動きだ。


「それは確かにあるね。4つも離れてると、共通の話題ってあまりないから…」


高1と小6って、近そうで遠い距離感なのかな?


「そんな事より、次教えてよ~」

紗香ちゃんはしびれを切らしている。


2人のエロ関心は俺の予想以上だ。今なら、これを言っても大丈夫だろ。…多分。



 「俺達4人で混浴しないか? 裸の付き合いをしよう!」


「混浴ですか? 無理です!」

静ちゃんが即拒否した。


これはすぐにフォローしないとマズイ!


「静ちゃん安心して。って言ったけど、水着OKな場所だから」


「そう…なんですか?」


それでも静ちゃんの不安そうな様子は変わらない。


「あたしは全然良いよ~」

紗香ちゃんは気にするそぶりを見せずに答えた。


光には事前に話してOKをもらっている。あとは静ちゃん次第だ。


「わたしのを、知らない人に見られたくない…」


こんな体ねぇ…。胸は間違いなく小さいが、それ以外気になるところはないぞ?


「静ちゃん。お兄ちゃんが言った混浴できるところは貸し切りに出来るの。だから私達以外の人に見られることはないよ♪」


光もすかさずフォローしてくれた。可愛いだけでなく、頼りになる妹だ。


「……」


静ちゃんは悩んでいるな。一応説得を続けよう。


「俺抜きの3人で行くのもアリだよ。…どうかな?」

女子3人で温泉…。百合の妄想が捗るぞ!


「あの…。照さんは水着を着て入るつもりなんですか?」


それを聴くって事は、静ちゃんは多少なりとも興味はあるな。


「俺は着ないで入るよ」


「私も~」


「光ちゃん凄いね…。紗香はどうするの?」


「さすがに裸はな~。水着着る!」


「だったらわたしも、紗香と同じように水着着て入ります」


水着を着るのは正直なところ残念だが、混浴してくれるだけマシか。


「ありがとう2人とも。日時はこれから決めようか」


「わかりました。あの照さん、混浴できるところはどこにあるんですか?」

静ちゃんが気になる様子を見せる。


「そう遠くないよ。電車で数駅の『千夏ちなつ千春ちはる』という銭湯」


“安くて気軽に混浴できる銭湯”ということで、一部の層に圧倒的支持を得ている…らしい。俺も聴いただけで、行ったことは1度もない。


「近いところで良かったです」

ホッとする静ちゃん。


「それじゃ、銭湯に行く日時を決めようか」


「お~!」


テンションを上げる紗香ちゃんと共に、俺達は話し合いを続ける。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る