第1章 第4節 正義漢の源流 自分自身と皆のための復讐

 そして遂に、俺は、これまでのいじめに対する復讐フクシュウを始めることにした。俺はこの機会を、この日が来るのを、この時が来るのを、この瞬間が来るのをずっと待っていた。なぜなら、自分の拳の皮がぜるまで、拳のケンと骨が見えるまで、右手と左手の人差し指と中指の拳が完全にツブれ、山のようにフクらむまで、血のにじむ思いで、檀中ダンチュウを「撃つ」のではなく、「撃ち抜く」という地獄の修行に耐えてきたという絶対の自信があったからだ。  

 そして、ヒンズースクワットと中国武術の震脚シンキャクでコンクリートに自分の靴の足跡が削れるまで練習を続けてきたからだ。


 その日は、3校時と4校時は図工の時間だった。粘土で城を作っていた。案の定、廊下の後ろに座っている俺に、土屋が粘土を投げてきた。それを見た5人の子分たちも粘土をちぎって、俺の頭をめがけて投げてきた。クラスの皆は知らぬふりをしていた。


 暴力教師迫田先生は、気付いているのに知らぬふりをしていた。土屋にかかわると授業のサマタげになるし、迫田先生は、授業中にうるさい土屋を注意した後、土屋の頭を殴り、その腕を掴まれて一本背負いをされて動けないことがあった。


 土屋の暴力教師迫田先生に対する反抗的な態度は凄かった。だから、暴力教師の迫田先生は、土屋には関わりたくないのだ。土屋の方が担任の迫田先生より身長も体重も大きかった。迫田先生は、気付いているのに知らぬふりをする。これはいつものことだった。俺に手を差し伸べてくれる教師は未だかつて一人もいなかった。4校時の終了のチャイムが鳴った時、案の定、土屋たちが私の机に寄ってきて、粘土の塊を髪の毛にこすりつけてきた。


「やめろ!粘土を髪の毛にナスり付けるな!」


 私はえて、クラスの皆が驚くほどの大声で叫んだ。迫田先生もクラスの皆も驚いた顔で、俺の方を見た。


「うるせえんだよ!茶髪外人が!ゴツン!」


 土屋が私の頭を拳で叩いてきた。私は言い返した。


「土屋、今よお~、お前からナグったよなあ~。クラスの皆がちゃんと見ていたよなあ~、土屋、お前から暴力を振るったよな~。昼休みに校庭のジャングルジムの芝生シバフに来い。素手スデでお前と『タイマン』してやるからよお~!ぜってえ、逃げんなよ!」


 私は敢えて大きな声で叫んだ。取り巻き連中や見て見ぬ振りをする連中、ギャラリーを増やすためだ。私は未だかつてない言動を取った。その私の態度にクラスのみんなが驚いた表情をしていた。


「大丈夫なの、彰君?いつもの彰君じゃないよね?」


 優しい肝付キモツキさんが心配をして声を掛けてくれた。


「あんな彰君の声、初めてだよね?」


 特に、クラスの女子と他の男子から小さい声がれていた。


「彰、本当に土屋とタイマンをするのか?勝てるのか?」


 私が信頼している石神君も心配をして声を掛けてくれた。


「大丈夫だよ。まあ、見ていてよ。もう、昔の俺じゃないから。」


 そして、もう一人復讐したい奴がいた。陰湿インシツないじめをする橋口だ。


「おい、ついでだ。橋口!お前、おととい、俺のランドセルをサッカーボールみたいに蹴っていたよなあ~。俺が止めに入ったら、肩と胸を殴ってきたよなあ~。」


 成績のいい橋口はだまっている。橋口は狡猾コウカツな奴だ。後のことまでしっかり考える奴なんだ。自分が暴力を振るったことを自白するような男じゃない。


「もう一度言うぞ、橋口!お前、おととい、俺のランドセルをサッカーボールみたいに蹴っていたよなあ~。俺が止めに入ったら、肩と胸を殴ってきたよなあ~。」


 それでも橋口は黙っている。黙秘して知らぬ顔をしているのだ。


 すると、あろうことか土屋一派の白坂が、


「橋口、お前、彰の肩と胸を笑いながら殴っていたじゃねえか。ランドセルも蹴っていたじゃねえか。なんで一人だけ知らんふりしてんだ。」


 学級中が騒ぎ出した。


「白坂が言っていることが正しいじゃん。」

「俺も見ていたけど、彰に暴力振るっていたぞ。」

「私、見ていた・・・。」

「私も、見ていた・・・。」


 遂に橋口が自白した。


「ああ、あの事かあ~。それがどうした?」


「橋口よお~、お前からナグったよなあ~。お前から暴力を振るったよな~。昼休みにジャングルジムの芝生シバフに来い。土屋と素手スデでタイマンする前に、お前とタイマンしてやるからよお~!ぜってえ、逃げんなよ!」


「お前、馬鹿か?クソ茶髪外人が、俺に勝てると思ってんのか?」


 私は、「しめた。」と思った。これで土屋も白坂も暴力の事実を認めたからだ。クラス全員がこの経緯を把握している。土屋と白坂が暴力の事実を公に認めた。これでいいんだ、兄ちゃんのアドバイス通りに俺の作戦は進んでいる。暴力教師の迫田先生とクラス全員がこの経緯の目撃者になってくれた。後はタイマンで勝つだけだ。


 そして、昼休みになった。俺は給食を食べ終わると、芝生を確保するために全力で走った。数分後、土屋と子分たちがやって来た。そのあと、取り巻き連中や見て見ぬ振りをする連中、そして同学年だけじゃない、上級生たちも他のクラスの皆も、ギャラリーになって、いっぱいになった。周りを見回すと200人以上いたと思う。他のクラスのギャラリーたちはジャングルジムに40人、輪っか状のトンネルジムに50人ぐらい上って、高みの見物をしていた。


 俺は、敢えて土屋に尋ねた。


「お前は大物だから、最後に勝負だ。まずは、橋口とタイマンさせてくれ。」


「別にいいけどよお~。お前、橋口に勝てんのか?俺とタイマンする前に橋口に殴られて泣くんじゃねえのかあ?アハハハ。」


「橋口の野郎、来ねえなあ、あっ、来た、来たぞ、橋口が来た!」


 土屋の第一の子分である、白坂が大声で叫んだ。クラスの皆や他のクラスのギャラリーたちも大騒ぎし始めた。その騒ぎ越えはどんどん大きくなる。俺は、緊張するどころか、気持ちがウキウキしていた。絶対の自信がそうさせたのだ。


「橋口君が来たよ。」


「あっ、橋口だ!」


 私は、再度、クラスの皆やギャラリーに聞こえるように大声で尋ねた。


「橋口!お前、俺のランドセルを蹴っていたよなあ?俺が止めろといったら。お前から暴力を振るってきたよなあ。」


「ああそうだが、それがどうした?」


アヤマれ!土下座して謝ったらお前を許してやる?」


「はあ?調子に乗るんじゃねえ!」


 橋口は、私の肩を押した後、私の髪の毛を引っ張った。膝蹴ヒザゲりをするつもりだ。


「ダンッ!」


「ドン!」


 私は、髪の毛を引っ張られたまま地面を強く踏み込み、そのままの至近距離から全体重を右拳に載せて橋口の「壇中」を打ち抜いた。「撃った」のではない、「撃ち抜いた」のだ。1万回練習したことが自然にできたのだ。


 橋口は身長は高かったが、太ってはいなかった。その橋口が俺の髪の毛を放し、体が低空を舞って、7メートル以上後方に吹き飛ばされた。


「ええ~っ!」


「ええ~つ!」


「何だ!」


「何だ!」


「何だ!いったい何が起きたんだ!」


「何だ!あ、あ、彰が一発で橋口をすげえ吹き飛ばしたぞ!」


 私は、えて悠々ユウユウと歩きながら橋口に近付いた。


 芝生に横たわった橋口は、横を向いた姿勢のまま、大声で泣き叫んでいた。


「痛え~、痛え~よ~、骨が折れてる、骨が、骨が折れてる、息ができない!」


「橋口、このままもう一発くらうか?それともアヤマるか?」


「・・・。ごめんなさい、ごめんなさい、もうしません、ごめんなさい。」


「クラスの友達もいじめるのか?もうやめるのか?」


「もういじめません。」


「本当だな?」


「はい。」


 胸を押さえながら橋口は大声で泣いていた。校庭中に響くほどの声だった。


「おーい、みんなー!橋口はクラスのみんなもいじめないってさ。」


 クラス全員の友達や他のクラスの友達から一斉に声が上がった。


「ワァァァ!」


「やったあ!」


「やったなあ!彰!」


「よくやったぞ!」


 次は、いじめ大魔王の土屋とのタイマン勝負だ。私を最もいじめた土屋とのタイマン勝負だ。


「おい、いじめ大魔王の土屋!お前はこれからも暴力を振るって、俺をいじめるつもりか?」


「当り前よ。彰、お前、手に何か持っているだろう?橋口があんなに吹っ飛ぶわけがねえ!」


「はあ、見ろよ!俺は何も持ってねえぞ!ナイフや鉄筋だったら、橋口は血を流しているだろうが!橋口が血を流しているのか?」


 土屋は、俺が手に鈍器や鉄筋を持っていると疑っている。だからわざわざ橋口の所へ行き、胸とお腹をさわっていた。


「おい、いじめ大魔王の土屋!橋口のシャツを見ろよ、破けてねえだろうが?今さら逃げ出す気か?」


「うるせえ、クソチビ外国人が!確かめただけだ!」


「土屋、俺の手のひらを見ろよ、何も持ってねえぞ!ほれ!」


「彰、クソ外国人のくせに、橋口に勝ったぐらいで、いばるんじゃねえ!」


「よし、じゃあ、いじめ大魔王の土屋、タイマンを始めるぞ!」


 私は、ジークンドーの構えを取った。土屋は本能的に私の打撃を恐れたのだろう。


 身をかがめた姿勢で両手を高く上げていた。土屋は俺の服を両手で握り締めて背負い投げをするつもりだろう。


 土屋の背負い投げは、強烈に痛かった。二度と喰らいたくない投げ技だ。


 土屋は利き腕の左腕で私のシャツを握ろうと前に出てきた。私はその一瞬を見逃さなかった。


「パンッ!」


「ダンッ!」


「ドン!」


 私は、地面を強く踏み込み、右肩から6つ分話した拳で土屋の左手を払いのけ、そのまま全体重を右拳に載せて土屋の「壇中」を打ち抜いた。「撃った」のではない。「撃ち抜いた」のだ。


 土屋は身長が高く、かなり太っていた。その体が後方に吹き飛ばされ、背中と頭から芝生に落ちた。5メートル以上後方に吹き飛ばされたのだ。


「ええ~っ!」


「ええ~つ!」


「何だ!」


「何だ!」


「何だ!いったい何が起きたんだ!」


「何だ!あ、あ、彰が一発であの土屋の体をすげえ吹き飛ばしたぞ!」


「彰が一発で土屋を吹き飛ばしたぞ!」


 芝生に横たわった土屋は、転がりながら、大声で泣き叫んでいた。


「痛えよお~、痛えよお~、息が、息が、息ができねえよお~。痛えよお~。ウウーッ~、痛えよお~、痛えよお~、痛えよお~、痛えよお~、息が、息が!」

 

 私は土屋の前に仁王立ちでたち、土屋に尋ねた。


「おい、土屋、まだやるか?立てよ!このぐらいじゃ、俺の気が済まねえんだよ!」


 土屋は痛みのあまり、返事ができない。私は5分ほど土屋の前に仁王立ちになり、土屋の子分たちの名前を一人ずつ呼び、私の前に来るように大声で怒鳴った。


「おい、お前ら、ちょっと来い!俺の前に来い!」


「おい、お前らも、俺とタイマン勝負するか?」


「・・・・・・。」


 返事がないため、私は土屋の一番の子分である白坂の胸ぐらをツカんで言った。


「おい、タイマンするか?それとも今までのことを謝るか?」


「ご、ご、ごめんなさい。もうしません。」


 土屋の子分たちは全員、私に土下座をして謝った。子分たちも一発ずつ叩いてやりたかったが、私はなぜか謝罪する者を叩く気にはならなかった。


 そして、再度、土屋の前に立って、土屋の様子を見た。大声で泣きながら両手で胸を押さえていた。俺は土屋に再度尋ねた。


「土屋、まだやるか?」


「いいえ、もうやりません。」


 そこには、これまでと見違えるほど弱々しい土屋の姿があった。


「おい、土屋。俺に謝る気持ちがあるか?」


「は、はい。あ、あ、彰君、ごめんなさい。」


「それだけじゃ足りねえ。二度と人をいじめませんと言え!お前がこれまで沢山の人をいじめたり、暴力を振るったりしていることはみんなも知っているんだ。だから、これからは、二度と友達をいじめたり、殴ったりしませんと、大声でみんなに聞こえるように、土下座して言え!」


 土屋は、地面に横たわったまま体を起こし土下座をした。


「これからは、二度と友達をいじめたり、殴ったりしません。ごめんなさい。」


 土屋らしからぬ、とてもみじめな声だった。



「よし、分かった。」


「お~い、みんな!今の土屋の言葉を聞いたか!」


 私は周囲にいる全員に尋ねた。


「聞いたよ、聞いた!」


「ちゃんと聞いたよ!」


「うん、聞いたよ!」


 周りにいる全員が口々に言った。


 私は敢えてクサビを打ち込むつもりで、倒れてまだ泣いている土屋の胸ぐらをツカんで言った。


「土屋、今度、友達をいじめたり、暴力を振るったりしたら、この程度じゃすまないからな。いいか、覚えとけよ。」


「・・・・。はい、分かりました。」


 クラス全員の友達や他のクラスの友達から一斉に声が上がった。


「ワァァァ!」


「やったあ!やったあ!」


「頑張ったね、彰君。おめでとう。」


 肝付さんは泣きながら喜んでくれた。


「肝付さん、今まで心配をかけてごめんね。今まで本当にありがとうね。」


「彰、おめでとう!お前は凄いよ!本当に強くなったんだな。俺、嬉しいよ。」


 一番の友達だった石神君が目を真っ赤にしながら喜んでくれた。


「石神君、肝付さんと一緒に俺を応援してくれて本当にありがとうね。石神君と肝付さんがいなかったら、俺はずっと土屋にいじめられていたと思うよ。だから俺の話をいつも聴いてくれてありがとう。」


 これでやっと私の復讐は終わった。


 それ以来、橋口と土屋は急におとなしくなった。


 私と教室や廊下ですれ違う時、2人とも私に頭を下げるようになった。土屋一派の白坂たちも同じように頭を下げるようになっていた。


 なぜなら、すれ違う前から、私がわざと正面で出くわすように進路を変更したからだ。俺は、これまで土屋と土屋一派の白坂からされたことを思い出すと、怒りが込み上げ、気が済まなかったからだ。


 俺が、橋口と土屋は私とタイマンをし、一発で5m以上吹き飛ばされたことが、学校中のウワサになった。土屋には6年生の兄がいたが、弟と同じ喧嘩レベルであった兄は、私に手を出さなかった。弟と同じ強さであれば、私からボコボコにされると思ったのだろう。


 それからは、土屋や橋口からいじめを受けていた者たちがいつも私の周りに近寄って来て、親切にしてくれた。私のそばにいれば、私のことを怖がって、いじめられないからだ。そして、今まで「彰」と呼び捨てられていたのだが、「彰君」とクラスの皆から呼ばれるようになった。


 数日経ってから、休み時間に土屋より喧嘩の弱い暴力教師迫田先生から呼ばれたので、机の前に言った。すると、


「あ、あ、彰君、土屋と白坂と喧嘩をして勝ったそうだね?」


 と腐ったような笑顔で話しかけてきたが、私は


「さあ、知りませんよ。」


 と一言だけ返答して席に戻った。


 教師が子供を殴ったり、けったり、往復びんたをしたり、教科書を丸めて思い切り子供を殴るから、「こいつには、こんなことをしていいんだ。」という悪いモデリングの影響を及ぼすからこういうことになると後で知った。俺は今でも、目の前に暴力教師迫田先生が来たら、謝罪をさせたいと思っている。それほど、あの頃の教師たちは平気で暴力をふるっていたのだ。


 私はこの一件をさかいにして、誰からもいじめられなくなった。それ以来、「君付け」と呼ばれるようになった。男子の世界で、一目置かれている奴は必ず「君付け」で呼ばれるのだ。「彰君」と。


「兄ちゃん、土屋と橋口に復讐できたよ!」


 伝えた日、兄は私を持ち上げて喜んでくれた。


「彰、ついにやったなあ。見上げた根性だ。流石サスガ、俺の弟だ。」


 と褒めてくれた。兄が俺を抱きしめて、持ち上げながらグルグル回して、喜んでくれた姿を見て涙が流れた、その涙は止まらなかった。


 いじめとは、人の心をボロボロに破壊する。


 そんな理不尽なことが許されていいわけがない。ほとんどの者は、ずっといじめられることになる。だが私は、兄のおかげで復讐することができた。


「強きをクジき弱きを助く。」幼いころから父に教わった言葉だった。弱い者を救い、横暴な者をらしめる。やっと父の言った言葉の意味が分かったような気がした。

 俺も土屋たちに凄惨セイサンないじめを受けていたが、もっとヒドいいじめを受けていた友達が3人もいた。他のクラスも入れると十数名の友達が酷いいじめを受け、泣き寝入りをしていた。


 泣きじゃくっている女の子の髪の毛を短くハサミで切り刻み、バカ騒ぎしている土屋一派。挙句の果ては、スカートまで切るという人間として絶対にやってはならないことを平然と行う悪人ども。「喧嘩が強い」「力が強い」「土屋一派の子分が多い」それだけの理由で、何十人という友達が犠牲に遭ってきた。教科書やノートを切り刻まれた友達もいた。給食にカバン棚で死んでいたゴキブリを入れられた女の子もいたのだ。泣きじゃくっているその女の子を無視する迫田先生。夏休みの自由研究を破かれた友達。冬休みにパンダの縫いぐるみを作って来て、先生に褒められた日の翌日には、そのパンダの縫いぐるみは首も手足もちぎられ、割りばしで手足と首を繋がれていた女の子。


 でも、誰も「勧善懲悪カンゼンチョウアク」できる友達はいなかった。幸いにして、兄が中国武術のジークンドーを学んでいた「俺」だけしか成敗する人間はいなかったのだ。拳の皮はぜ、腱と骨がむき出しになって何度も病院へ治療に行った。それでも私は、己の信念を貫いた。俺が絶対に皆の分まで復讐をしてやるという意志を最後まで貫いた。自分のクラスの男女皆が万歳をして喜ぶのは当然の結果だった。また、他のクラスの皆からも褒めてもらえた。俺はそれが嬉しかった。


 それからだった、私は「いじめをする者をいじめる」ことが趣味になった。「私が味わった苦しみと怒りを味わわされている友達を見捨てるわけにはいかない」からだ。私の正義漢の源流はこのストーリーそのものだ。





【注意事項】

壇中ダンチュウ』を狙った打撃は、人をアヤめてしまう危険性のある技です。絶対に真似をしないで下さい。この小説には、この技がこれ以降も登場してきますが、絶対に真似をしてはいけません。





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