2時間サスペンス短文感想

潮野しおまねき

『軽井沢・夏の危険地帯 美しい獲物が罠にかかる』(1982年/土曜ワイド劇場)

 これはジャーロ(イタリア製残酷サスペンス)だよ。最近ダリオ・アルジェントの『シャドー』を観たから、そう思うのかもしれないけど。

 軽井沢の森でチチクリ合っているカップルを狙う連続殺人鬼。行方不明の妹を探しにきたヒロインと事件を担当する老刑事が犯人を追うなか、別荘に住む元役者の男が絡んでくる。

 土ワイ作品とはいえ、演出は完全にホラー。青白い照明、陰影の濃い映像、森に立ちこめる白い霧、フィルム特有のおどろおどろしさMAX。殺人シーンののぞき見感も生々しくて最高。クライマックスは某名作サスペンス映画を彷彿とさせるが、ショッキングで良い。犯人の世の中に対する歪んだ怒り、衝撃と哀愁のラストも印象的。



<作品データ>

監督 長谷和夫/脚本 武末勝/原作 五谷翔

出演 田村高廣、長門裕之、真野響子


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