第101話 一旦東京へ
予想外の拾い物をして満足したものの、ちゃんと学校は見て回る。一応協会からお金貰ってるしね。
「ふむふむ。他の学校からの情報共有は出来てるみたいだな。よきかなよきかな」
その分毎回会話デッキを組み直さないといけないんだけど、それはさておき。
「学校同士の変ないがみ合いとかなくて良かったね〜」
それな。競うのも悪くないけど、最低限の情報はしっかりと共有して探索者達の底上げはしっかりしてもらいたい。
「学校同士の競技会とかしたら面白いのかもな」
「それこそ情報を絞ったりするんじゃないのかな〜?」
学校巡りが終わってから暫くしてから提案したら良くない? 全国の学校を巡って最低限の情報は教えるつもりだし、後は学校同士で競ってもらった方が、成長は早いかなと思うんだけど。
「安全面とか考えないといけない事は大きいか。怪我したら意味ないし。異世界にそんな魔道具があったんだけどな。武闘会の空間で致命傷を受けると外に弾き出される魔道具」
「だんちょ〜は持ってないの〜?」
「一つだけある。でもコレクションにしてるやつだしなぁ。ギルドが始動したら生産関係の人に作れないか聞いてみよう」
そんな未来の話もそこそこに。
いつもの様に各学年を見て回り最後に講義。
馬鹿な脳みそをフル回転させて頑張りました。
俺も慣れてきたのかもしれんな。
「ささっ! 観光タイムですよー!」
「いえ〜い!!」
講義を頑張ったご褒美とばかりにテンションを上げて観光していく。
沖縄に来るのは楽しみにしてたんだ。
「今日はとりあえず飯だな。本格的な観光は明日にしよう」
「あたしネットで見てどうしても食べたいのがあるんだよね〜」
「牛丼?」
「違うよ〜! なんでもかんでも桜ちゃんに牛丼を当てはめないでよね〜!」
普段の行動を見返してもらいたい。
桜=牛丼。この方程式は不変である。
そろそろ教科書に載ってもおかしくないレベルだと思いますね、はい。
「ここだよ〜!」
「なんか普通の定食屋だな? どうやって調べたんだ?」
「ここは探索者学校の生徒さんに聞いたんだよ〜。ネットでとある情報目にしてからずっと検証をしてみたかったんだ〜」
ふむ? まぁお腹空いてるし、とりあえず入ろうか。
「ゴーヤチャンプルーとライスの大を二つずつくださ〜い!」
「ゴーヤチャンプルーだと?」
あのくっそ苦いやつだろ?
俺、苦手なんだけど?
前に桜と一回だけ食べた事があるんだ。
それはもう苦くてですね…。
「沖縄のゴーヤチャンプルーは甘いらしいんだよ〜」
「嘘つけ。どうやったらあれが甘くなるんだ」
タレで誤魔化そうったってそうはいかないぞ。
あれの苦味は本物だったんだから。
「甘いじゃないか。美味しいじゃないか」
「美味し〜!!」
食べてみてびっくり仰天。
滅茶苦茶美味しい。甘い。なんだこれ。
「豆腐も良い味を出してやがる。沖縄やるな」
「ネットの情報も役に立つね〜!」
本場のゴーヤチャンプルーを食べてないのに、生意気言ってすみませんでした。
マジで美味しい。予想外すぎた。
続いてやって来たのは蕎麦屋さん。
「香川でうどん食べたばっかりだから、麺系は当分いらないと思ってたけど」
「鰹だしのスープが美味しいね〜!」
沖縄そばの大盛りを頂く。
チャーシュー? 三枚肉? が美味い。
しっかり味が染みててグッドです。
「もう一杯食べようかな」
「あたしも〜!」
いっぱい食べれるお腹を持ってて良かったぜ。
存分に各地のご当地メニューを楽しめるってもんだ。沖縄にはまだまだ美味しい料理が沢山あるからな。
そしてまた別の店に移動して、本格的な晩ごはんとしてしゃぶしゃぶのお店へ。
「沖縄と言ったらー?」
「アグー豚〜!!」
って事でいただきます。
さっぱりしてて食べやすい。
臭みもなくてパクパクいけちゃうね。
そして締めはこれ。
「海ぶどう丼なり」
「やっぱり締めは丼じゃないとね〜!」
思ったより味がしっかりしてるな。
ぷちぷちした感触も良いアクセントになってる。
山芋のトロロも素晴らしい。
「ふぃー。大満足。やっぱり沖縄は良いな。観光地って感じがするぜ」
「明日からもより楽しみになったね〜!」
長めに滞在期間を用意しておいて正解だった。
とことん楽しんでやるぜ!
そして一週間後。
「さらばだ! 沖縄!」
「楽しかったよ〜!」
空港の自家用ジェットの前で大声で叫ぶ。
大満足の一週間を過ごせました。
俺達二人に思い残す事はありませぬ。
「次は海に入れる時期に来たいな」
「入ろうと思えば入れたけどね〜」
温度的には入れたけどね。
海開きは時期が決まってるそうで。
海水浴は楽しめなかった。
「後はだんちょ〜が龍が如○をクリアしてから来たいね〜! 公設市場とか出て来てたんでしょ〜?」
「多分な。俺も記憶が曖昧で。あそこで戦った様な気がするんだけど」
「どんなシチュエーションになったらあそこで戦う事になるんだろうね〜」
「それが思い出せんのです」
早く帰ってクリアしないと。
気になって仕方ない。
「って事で一旦東京に戻るぜー」
「さよなら〜沖縄〜」
観光が出来るって考えたら学校巡りも悪くないな。いやいや、とりあえずこれが終われば俺は引きこもるぞ。ギルド始動で忙しいとか知ったこっちゃない。なんか上手いこと事務の人が頑張って下さい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます