第94話 振り返り


 フランスを観光しまくって一週間が経った。

 その間、TVでは連日俺が襲撃された報道をやってて、フランスが叩かれそうになってたけども。

 そこに待ったをかけたのは聖人天魔君。


 ある報道記者にフランスの事を一切攻める事なく気にしてないアピールをしまくった。

 大体日本でも老害やら闇ギルドに襲撃されてるし? フランスだから起こった事ではなく、どこにいても襲撃はあり得るから仕方ないって事をこれでもかってぐらいオブラートに包んで美麗辞句を並べてたてた。


 「ふははは! 俺の評価が鰻登りで気持ちいいぜい!!」


 「甘いんじゃないかって意見もあるけどね〜」


 仕方ないじゃん。

 これのせいで外国に行けなくなるのは嫌だし。

 人気者ってのは妬まれるもんさ。警備体制をもう少ししっかりして欲しいって気持ちはあるけど、それぐらいだ。

 次からは気を付けてくれたまえ。あ、襲撃の主犯やら協会長は許しませんよ? しっかりと処罰してくれたまえ。


 「で、そろそろ帰るかーって話だな」


 「ポテちゃんが寂しがってると思うんだよ〜」


 ポテが寂しがる? それはどうだろうか。

 帰っても『にゃ』の一鳴きで終わりそう。


 「大体の観光名所も回ったしなぁ」


 「カジノも楽しかったよね〜」


 それは桜だけじゃないかな。君はトータルでかなり勝ってるだろうけど、俺はトントンなんだよ。

 負けなくて良かったと自分を納得させてるけども。


 「大金は持って帰れないからね〜。また来る時の為に預けててもいいけど〜」


 って桜さんが言ったのでやたらと散財してた。

 ブランド品やらなんやらを爆買いして日本に送ったらしい。合計で3億ぐらいはカジノで勝ったもんなぁ。


 「3億なんてVIPルームの人達からしたら端金だよ〜」


 そうなんだよな。平気で1億とかベットする人も居たし。俺にはあそこまでの度胸はないや。


 「ルーブル美術館にバンクシ〇の壁画が飾ってあったのは笑ったな。なんでルーブル美術館にあるんだよって話なんだけど」


 俺が異世界に転生する前にストリートアートで一世を風靡した有名な芸術家の絵が何故かルーブル美術館に展示されていた。

 あの人ってイギリス人じゃないの? なんでフランスにあるんだよってツッコミを入れても仕方ないと思うんだ。



 「あたしはモン・サン・ミシェルが凄く印象に残ってるな〜。だんちょ〜はそんなにだったみたいだけど〜」


 「いや、凄いなとは思ったぞ?」


 でも異世界で色々お城を見てきたからさ。

 大国の王城なんてモン・サン・ミシェルの倍ぐらいはでかかったぞ?

 俺が破壊しちゃったけど。なんでやったんだっけな? ちょっと覚えてないや。


 「俺はそれよりもヴェルサイユ宮殿の方が印象に残ってるな。あの美しさは異世界以上だ。狭間崩壊とかあっただろうに、良くあそこまで綺麗な形で残してくれたもんだ」


 広すぎて見学するのに一日かかったしな。

 写真フォルダが綺麗な景色でいっぱいだぜ。


 「後は料理だな。流石世界三大料理と言われるだけある」


 「美味しかったよね〜! キッシュとかの郷土料理も最高だったよ〜」


 せっかくフランスに来たんだしということで、高級料理を食べまくった。

 テーブルマナーは異世界とそんなに変わらないのが助かったな。桜は何故か滅茶苦茶綺麗だったし。

 フルコースとかマジで絶品だった。

 俺の語彙力じゃ美味しさを伝えられないのが申し訳ないぐらいだ。


 「日本も料理じゃ負けてないと思うけどな」


 「日本はなんでも魔改造するのをやめた方がいいんじゃないかな〜」


 なんでや。日本は魔改造のお陰でここまで発展したと言っても過言じゃないだろ。

 俺は日本に更なる魔改造を期待してるぞ。限度はあるけどね。


 「うむうむ。振り返っただけでも中々に濃い一週間を過ごしたな。日本とは全然違う文化を堪能するのは楽しかった」


 「でも住むなら日本だよね〜」


 それな。

 海外はたまに旅行で来るから良いんだよ。

 住みたいとまでは思わない。

 日本は住み心地が良すぎる。

 俺が異世界に転生する前は増税クソメガネとか言われてた総理もいて中々に苦境だったけど。

 中学生ながら迷走してるなぁって思ってました。


 今は狭間のお陰で盛り返してるけどね。

 後は俺が攻略ブームの火付けをしてしまったから、好景気に沸いてるらしいし。

 この調子で政府のお偉いさんには頑張って欲しいもんです。


 「うし。じゃあ荷物まとめて帰るか」


 「賛成〜! ポテちゃ〜ん! 桜が今帰るよ〜!」


 帰ったらゆっくりしたい所だけど、学校巡りを再開させないとな。

 それが終わればゆっくり出来るかと思えばそうじゃないんだけど。

 丁度学校巡りが終わったくらいにギルド事務所は完成するし、『シークレット』が本格的に始動し始める。


 始動し始めると、まず最初の仕事は上位ギルドへの指導だ。

 で、それが終わると次は眷属ガチャ。

 新たに二人も増える予定だから中々ゆっくりする事は難しいだろう。


 「癖が強くない真面目な人が出て来てくれるといいな…」


 「桜ちゃんに文句でもあるのかな〜?」


 まさかまさか。

 滅相もございません。

 ただ俺の代わりに働いてくれる人とか出て来てくれないかなって。

 なんか現代に戻ってきてからなんだかんだ働きすぎだと思うんだよ。

 一年ぐらい引きこもりたい。

 やってみたいゲームとか読んでみたい漫画、見てみたいアニメとかが溜まりまくってるんだよ。


 「まぁ、ゆっくりやってくか。どうせ不老だし」


 多分。日本に帰ってきたから年を取り始めるとかあるのかな? 女神様、教えてください。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 次話は掲示板ですー。

 二日、長ければ三日連続で続くかも。

 今回はネタにしたい事が多すぎて。

 ごめんね。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る