第5話 過去との対話

宮殿の地下深く、秘密の場所が存在していた。珠子はカイをその場所へと案内する。それは、過去の選ばれし者たちが眠る神聖な場所、選者の廟だった。


「ここには、過去の選ばれし者たちの精神が宿っている。彼らの知識や経験を引き継ぐことができるの。」と珠子はカイに語りかける。


カイは廟に並ぶ石碑の前に立ち、静かに手を当てる。すると、彼の意識は別の場所に移動し、過去の選ばれし者たちとの対話が始まった。


過去の英雄たちは、それぞれの時代での戦いの経験や、敵との対峙の仕方、そして、王国を守るための重要な情報をカイに伝える。


中でも、一人の老英雄がカイに語りかける。「敵は外見だけでなく、内部からも侵略を試みてくる。心の中の弱さや迷いをつかれることもある。だから、自分自身を知り、強くあることが大切だ。」


カイはこの言葉を胸に、現実の世界へと帰還する。目を覚ますと、珠子が優しく彼の手を握っていた。


「どうだった?」彼女が尋ねると、カイは深い思索の後、「私たちがすべきことがわかった」と答えた。

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