お題【秋の風】

 爽籟と 駆け抜けて行く 赤白帽


 秋の爽やかな風と運動会ぽく赤白帽が私の横を駆け抜けていきました。


 季語は爽籟


「爽籟」は清々しく爽やかな秋の風。

「籟」は穴が三つある笛のことで、古代の人はその笛を吹くことを「吹籟:すいらい」とよんでいました。

 そして、松を渡る微細な風があたかも笛の音に聞こえることから「松籟:しょうらい」という言葉が生まれ、さらに秋風の響きを「爽籟」と名付けたのだそうです。


 秋の色は白だそうで、そこに吹く風も季語になるなんて本当に素敵でしよね。


 万葉時代にはまだ「爽籟」という言葉は使われていませんが、秋風の肌寒さ、もの寂しさなどを感じている歌もあり、日本人の細やかな感性って昔から引き継がれてきたものなんだなあと感じますよね。


 恋ひつつも 稲葉かき分け 家居(いへを)れば

 乏(とも)しくもあらず 秋の夕風

 巻10-2230 作者未詳


 秋風の 吹き扱(こ)き敷ける 花の庭

 清き月夜に 見れど飽かぬかも

 巻20-4453 大伴家持


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