第35話 仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌

 そして 水晶の一つ一つに名前をつけたのです。

 仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌と名付けられたのでした。

 これは後にこの水晶を受け継いだ人々は 、水晶がうみだす奇跡に驚き 、来世へとこの水晶を伝えたいと物語を紡いだのでした 。

 その物語は 「里見八剣伝」として水晶の力とともに語り継がれていったのです。

 マガタマ姫たちは傷ついた身体で天照大御神様のもとへ帰って行ったのでした 。

 そしてあまたの大蛇とハギノツタマルを打ち倒したことを告げました。

 マガタマ姫たちの傷ついた姿から戦いの凄まじさが見て分かりました。

 ハギノツタマルの水晶や、スサノオノミコトの剣のことも伝えると、水晶は八人で大切に守るように命じられました。

 剣は名前を「草薙の剣 」と名付けられ 、スサノオノミコトに大切に守り伝えるように指示しました。

 天照大御神はあまたの大蛇と、ハギノツタマルとの戦いを称え 、八人にしばらくはゆっくり休むよう伝えたのでした。

 マガタマ姫たちはホシヒトの薬草で傷を癒しました。

 すると 、日に日に身体は快復していったのです。

 そして マガタマ姫は徐々にホシヒトに惹かれ始め、同じくサザナミはツチマルヒコの勇ましい姿に心を奪われていったのです。

 時が経ち、マガタマ姫とホシヒトの間には、ヒカリヒコという子が生まれました。

 その頃、サザナミとツチマルヒコの子供であるウミマルヒコもまた誕生していました。

 トキタマ姫とカゼマルヒコも愛し合い、 天照大御神様に仕えたのです。

 村には、 些かの争いはあったものの、マガタマ姫たちは平和に暮らしていました。

 しかし最近、村の山に何やら怪しげな、人間か動物かわからないものが現れ、村人を驚かせていました。

 その姿は、赤い顔に、高くそびえ立つ鼻を持ち、素早い足取りで駆け抜け、自らを覆うもので姿を消すことができ、大きな葉っぱを手にし、人々を遠くへ飛ばすことができるいうのです。

 それを見た村人たちは驚き、腰を抜かしてしまいました。

 この出来事を聞いた天照大御神様はトキタマ姫に相談し、マガタマ姫、ホシヒト、 そしてフジマルヒコに村の山へ調べに行くように伝えました。

 三人は、久しぶりに山に行ける喜びと、どんなものが現れるのか?

 楽しみとも言える不思議な興奮を覚えながら、山へと向かったのでした 。

 山道の案内役は、山に詳しいフジマルヒコに任せました。

 村人の話を聞いて、怪しげなものが現れたという場所へと進んで行きます。

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