第5話

美鈴は、塁斗の事件に関する情報をYotubeで探していると、とある配信者がそのことについて取り扱っている配信を見つけた。

「はい、というわけでどうも暴露マスターでーす。

 今日はですね、アイドル警察でおなじみの音風ノアが、取り上げたことについて

 少し触れていこうかなと思いまーす。」

美鈴は、また敵が増えるのかと思いながら見ていた。

だが、違った。

「最初に言っておくと、いつもは彼女のことを批判してたんですけどー。

 さすがにこの内容を見ると同情するし、協力したいとも思いますねー。

 僕も昔、友達がデマで苦しんでいたんですよ。

 僕はただの根暗な少年だったので、何もできなかったんですよー。


 彼は、デマに心を苦しんでひきこもりになりました。


 いまだに僕も会えていません。

 友達だけじゃなくて、おんなじ目にあってる人も少なくないと思うんですよ。」


美鈴は、びっくりした。


「だから、暴露してその誤解を解こうとして始めたのが配信だったんですよ。


 でも、今は逆に迷惑をかけている部分もあるので―。

 

 そこは申し訳ないと思っています。

 で、彼女の件を目にして、自分も役に立ちたいと思ったんですよー。

 だからー、リスナーのみんな、この件の情報どしどし送ってくれよな!」

 

美鈴は、自分のことじゃないが嬉しくなった。

友達が、苦しんでいる。そして、ほとんどの人が彼の敵だ。

そんな中で、だれであろうと助けてくれるのは嬉しかった。

自分が知っている情報を伝えよう。そう思って、彼女はコメントを送った。


:その件、詳しく知ってます。


すると、配信者の人が反応した。

「まじすかー。ちょっと、自分のSNSのDMに送ってくれませんか?」

そう言われたので、彼女は送った。

「ちょっとまとめますねー。」

そう言って彼は内容をまとめた。


・内藤という男がいろんな容疑で捕まった。

・彼は捕まる前に朝霧さん(被害者)を犯人に仕立て上げた。

・内藤は嘘の情報を記者に伝えた。(おそらく権力を持った彼の仲間)

・警察に強制連行←いまココ


「これはひどいですねー。ネットにある情報と照らし合わせると恐らく本当ですねー。」


音風ノア:本当ですよ。私もおんなじ内容を本人から聞きました。


「リーク者と被害者が言ってるってことは確定ですね。

 某雑誌に対抗する形になりますねー。

 みんなで彼を助けましょう!」


:今日はかっこいいな

:暴マスいいぞー!

:協力するぞ

:俺もあの雑誌嫌いだわw


コメント欄も盛り上がっている。

今までは、協力する人がいなくて劣勢だった。

でも、自分で言ったらあれだが、私を含め協力してくれる人もいる。

たまたま彼がターゲットにされてしまった。だからって、悪者になる必要は当然ない。

それでも、世間は面白がって叩く。

だけど、絶対に言えることがある。

もし、冤罪をかけられても、、、


―信じてくれる人はいる。

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次からは反撃編です。

3000PVありがとうございます。

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