殺さないと殺される

 あなたは頷いた。すると後ろの血だらけの人は満足そうな顔で笑った。あなたの手にナイフが渡された。


「内側と外側では木馬の速度が違うんだ。あいつの隣に来たらこれで刺せ!」


 そう言われた。


 1番にのるあいつの馬は外側。あなたは内側。速度が変わり、あなたの馬は一番の馬に追いついた。


「やっほー」


 あなたに気配に気が付いたのか、ピースサインでこちらを振り向こうとした。


 今だ! あなたは馬を飛び移り、ナイフを大きく振り上げた。


「ギャー」


 痛みで苦しむ悲鳴が遊園地に響いた。


 生暖かいものがあなたの右腕にじわじわとかかる。


 一緒に遊園地に来た人物は、目を大きく開いてそのまま動かなくなった。


 あなたは、右手を強く握りしめたまま、その場で固まった。


 あなたの肩が叩かれる。


「ありがとう、こいつはどうしても許せなかったんだ」


 そういうとあなたの後ろにいた血だらけの人はいなくなった。



 ★ END あなたは殺人を犯してしまった ★


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