12番の木馬

 12番か。最後の番号だけど、円形に並んでいるから、君の後ろに私がいることになるね。まあ、別にいいけどね。先頭じゃなくなっただけだよ。気にしていないよ。


 キュルキュルキュル……


 なんだろうこの音は? あ! メリーゴーランドが動き出したよ。なんだかよくわからないけどラッキーだね。



 ◇ ◇ ◇



 メリーゴーランドが動き出した。あなたの乗っている木馬も上下に動きだす。半周したとき、あなたの後ろが何やら騒がしかった。後ろを振り向くと、あなたと遊園地に来た人が誰かに襲われている。その人と同年代らしき人物。服はぼろぼろで体も傷だらけだ。血だらけの口が開いた。


「殺してやる、殺してやる、置いていった恨みだ!」


 首を掴んでいる。あなたと遊園地に来た人も暴れ出した。


「ごめんよ! でも仕方なかったんだ! ごめんよ!」


 そう言いながら、足で抵抗していた。木馬の上でもめていた二人はバランスを崩して転がり落ちた。その瞬間、メリーゴーランドが止まった。二人が落ちたところには来ていた服だけが残っている。


 あなたは怖くなって遊園地から逃げ出した。



 ★ END ある話の続き ★

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