第2話 母親

僕の母親のケイちゃんは、めちゃくちゃアクティブ人間で、65歳になった今でも友達と旅行やらパートやらテニスやらと忙しく、息子である自分がアポを取ろうとしても2〜3週間後になるというジョブズばりのスケジュールを組んでいる。


そんなアクティブなケイちゃん、普段はしっかり者なのだが、ちょいちょい天然な一面も顔を覗かせる。


僕は長男で両親にとって初の子供だったので、ケイちゃんもウキウキだったのでしょう。


当時ケイちゃんは「〇〇(僕の本名)くん日記」という日記をつけていた。


『今日から〇〇(僕の本名)くん日記をつけることにしました。本日の天気は晴れ。温度は〇度。今日のご機嫌はとても良く…』


と産まれたての僕の1日を詳細に丸々2ページにわたって鮮明に記載されている。


そして2日目の内容なのだが、わずか3行ほどで僕のざっくりした情報が殴り書きされ、3日目はその日記に存在しなかった。


早くないか?

三日坊主にもなってないじゃん。

てか初日に2ページぎっちりでフルアクセルしちゃうからそんなことになるんだよ?


そんな「〇〇(僕の本名)くん日記」だが、今でもタケくんが大事に保管しており、実家に帰るとタケくんが披露をしてケイちゃんがブチギレる儀式が定期的に開催される。



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