フィスター

朝比奈花

第1話 「終結」




私達は何にでもなれる

天使にも、悪魔にも

凡人にも、天才にも

これは私達の心の奥底に眠る魂のお話

“フィスター“




気がつくと真っ暗な霧の中で私は私を見ていた

幽体離脱?いや、違う 幽体離脱なら幽体離脱だって私にもわかるはず

私はただ私を見ている

ただ座っているだけなのに鏡で見るように、いやそれ以上だ

他人を見るように私は今、自分自身を見ている


ただそれしか分からない

私は今どこにいるんだろう

どうやって生きてきたのか

自分の人生を否定してしまうほどこの霧は深く濃い


生前の私ならこの場所は怖かっただろう

でも今は恐怖を感じない

何も感じない


私は今落ち着いている 無感情で息をするたび自分が空気ではないか疑ってしまう


これが私の行き着く先なのだろうか


........


ceo この続きは?


ラベル秘書 今 我々が白術できたのはここまでです。

      ウェルトにも日記の続きがあると聞いていますが、

      落札価格は数千億を下らないでしょう。

      社長、これ以上は時を待つべきかと。

      コルト社のプレビューを見ませんか?

      業務委託の連絡が来ています。


ceo ありがとう

      ファフィアの戦況はどうなってる?

      敵国はフィスターを使っていると聞いたが

      我々に勝算はあるだろうか?

      私は正直これ以上の侵略は厳しいと思っている

      ラベル.....?


ラベル秘書 弱気になってはいけません

      戦を仕掛けたのなら

      我々には勝つ義務があります

      そして私には貴方を大王にする責務がある

      

      … ご安心を


       もう少しお待ちください

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る