第8話
私は優の家のことをある程度は知っていた。優が自ら話してくれることと、私と一緒に居られる時間が少なくなる、理由だったからだ。
優の家は厳しく、特に父親がやばい人の家だった。
そんな優は私と居られるように色々としてくれたが、親との関わりは減らすようにしていた。
だから、優が家で本当はどれだけ辛いか、学校では私や友達に笑顔をしているが、普段どれだけ笑顔を振り絞っているかなんて分かってなかった。
事件が起きた後、優の母親から自分のことについて聞かれた。
優は私のことをどう思っていたか、家族のことをどう思っていたか、
私はそのことに答えて、同時に家の酷さを知った。
痛みが倍襲う感じがした。
私が優を冤罪で傷付けてしまったうえに、家族まで酷いと知って
優には、安らぐ場所がない。今もこうして、家では苦しんでいる。
なのに私は何もしてあげられない。
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