感染症

 感染症が流行したとき、お昼ご飯は黙食だった。


 なんて、あじけない。


 各クラスの担任が監督のために、お昼になると教室にやってくる。教頭先生も巡回していた。担任は十分から十五分ほどいるらしい。


 あたしのクラスは、なぜか違った。

 一回現れるが、クラスをひと眺めしたあと、大丈夫だね、管理職も来るからね、そう言って職員室に戻ってしまう。


 おい、そんな適当で、いいのか? 奴のクラスは担任が十五分以上いると言っていたぞ。教頭先生も見に来てるのに、怒られないのか? こっちが心配しちゃうじゃないか。


 あたしたちが心配して静かにすると思ったら、大間違いだぞ。


 怒られても知らないからな。




 たまには怒られるのも、いいかもな、うん。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る