彼女はどうやら僕に気があるようです(2)
@j_takahashi2
影山忍の正体
学校の裏口から姿を消した彼は住宅街を抜け、さらに人気の少ない路地へと向かう。
人がすれ違うのも難しそうな小道が現れ始める。
周囲に人や環境音が少なくなるたびに相手に気付かれずに追跡するのが難しい。
そんなことに気を取られながらある路地を曲がったところであることに気付く。
「この道、、、さっきも通った」
視線を上げて汗が頬を伝う。
真夏日なのにゾクっとした。
気を取られた数秒間のうちに本来の目的を咄嗟に思い出す。
「あ、やば」
視線を戻すとしっかりとターゲットを見失ってしまった。
「えええ!なんなのあいつ!色々掴めなさすぎ!」
ため息をつきながら振り返ると気配を感じてハッと身を構える。
「なんだ、やっぱあんたか」
既に気付かれていたや、やれやれといった態度。
「なんかムカつく」
「なんでだよ、、、」
「あんたの正体を掴むまで諦めないんだから!」
捨て台詞を吐きながらその場を走り去る。
「だから、普通の男子高校生だって、、、」
影山の言い分を聞くまでもなく、小鳥遊の姿はもう見えなくなっていた。
「ちゃんと帰れるかな?」
影山の心配を他所に小鳥遊の奇声とセミの鳴き声が響き渡っていた。
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