第8話 サキュバ嬢


今日は、ドルマンから連絡があり休みになった。


まぁ、いきなり家事全部に書類仕事を全部やらせたから、パニくっているんだろうな…


セシリアの様子を見ながら、今日はエルザに冒険者ギルドの仕事を教えようと思っていたので残念だ。


なら仕方が無い…


今度のターゲットはドルマンだ。


下調べ、下調べ…と…


◆◆◆


俺は今、娼婦街まぁ、前世でいう風俗街に来ている。


此処は大きな街だが…前世の日本の様に大規模な物はないようだ。


「ちょっと聞きたいのですが…」


「リ…リヒト様、こんな所になんのようで…」


まぁ、俺は真面目を装っていたから驚くよな。


「いや、今度、接待をしなくてならなくてね、その人間が言いにくいんだが童貞なんだ、それで出来るだけ最高の思いをさせて欲しい、そう貴族に頼まれてどうしたもんかと思って困っているんだ、そうだお金を気にしない…その条件で最高の嬢は誰か教えてくれないか?」


「最高の嬢ね!男を虜にするようなそれなら、ハーフサキュバスのサキュバ嬢だよ! サキュバスの血が入っているから、もうあれを知ったら他の女じゃ満足できなくなるぜ」


「サキュバ嬢? サキュバさんって女の子って事?」


「そうそう、サキュバスの血が入っているから超淫乱なの…ただ、中毒性があるからね、何回もしたら最後、もう他の女じゃ満足できなくなるからね…そう言う事なら避けた方が良いかな?」


これは最高じゃないか?


そうか、俺はエルフかダークエルフの娼婦を使って骨抜きにしてやろう、そう思っていたが…サキュバスがこの世界には居たんだ。


すっかり、頭から抜けていた。


「良い事を教えてくれてありがとう…それでその嬢がいる娼館を教えて貰えるかな?」


「それなら…」


俺は銅貨でチップを払い、その娼館を紹介して貰った。


◆◆◆


紹介された娼館、ナイトムーンにやってきた。


「いらっしゃいませ、おやリヒト様じゃありませんか? 英雄色を好む、解りました、最高の嬢をお付けします」


「いや違う、実は相手は今の段階で教えられないが、今度、性的な接待をしないとならなくてな、それで最高の嬢の噂を聞いたらサキュバ嬢だと言うので、相談しに来たんだ…その、凄いのか?」


「凄いですよ…ただ、最初に言っておきますが、妻や恋人が居る人には向きませんからね」


「何故だ?」


「サキュバに夢中になってサキュバの快楽を知ったらもう、他の女が抱けなくなるからです…ある意味凄く危ないんですよ」


「凄いな…」


「それだけじゃありません! 精力が無茶苦茶強くてね…男は体力が消耗するんです…昔、飢えて森を彷徨っていた時は、オークを犯して生活をしていたみたいです」


「体力なら人族でも最強クラスだ、まぁ騎士団長並みにはあると思う」


「それなら、大丈夫そうですね、あとサキュバはオールナイトコースしか受けていません夜中の0時~時間は無制限、頑張れるなら何時間でも大丈夫です」


凄いな、風俗のオールナイトコースは高額だよな。


「それで、費用はどの位なんだ」


金貨何枚だ…


「銀貨1枚でございます」


「随分安いな」


「サキュバにとっては食事も兼ねていますから…それに死人も出たので最近はお茶を引いているんです」


「それでどんな外見なんですか」


「こんな感じです」


店員は俺に似顔絵を差し出した。


見た目は清楚で綺麗だ。


これはいける…


「今夜は空いていますか」


「空いていますが…説明通りですが、大丈夫ですか?」


「ああっ、大丈夫だ…俺から相手にも説明しておくから、予約をお願い致します」


「解りました」


ドルマンは勇者だし、妊娠でもしたら旅は続けられない。


だから、最後の一線は越えてない筈だ。


外見はイケメンだし、聖剣を構える姿は神々しい。


だが、一皮むけば、田舎者のチェリーだ。


上手くやれば、女に溺れさせる事も出来るかもな。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る