第2話 俺の前世
久々の自由。
俺は朝の用意をしないで手紙を残し、朝市の傍にある食堂に来た。
3か月でお別れなら、自分の事は全部やる癖位はつけないとな。
まぁ、彼奴らは家事なんて出来ないし、書類関係は俺に丸投げだったから、追放して困るのはあいつ等だ。
まぁ知らんけど。
俺はマジであいつ等が好きだった。
俺は転生者で前世の名前は『田向竜二』
簡単に言えば半グレをしていたわけよ。
女癖と手癖が悪くて組の為に懲役になっていた兄貴分のかみさんを寝取ったら、別の兄貴分に説教されたからムカついてつい刺しちまったら破門。
ヤクザにもなれない俺は半グレになり、詐欺やドラッグ、売春を仕切り生活していた。
決して腕力は強くないが、ただ、残酷に相手を追い込んでいたら、気がついたら手下が沢山出来た。
言って置くが、俺はその中じゃ1番じゃねーからな。
上には上が居る。
まぁ、勝てない相手が居たから…今度はそいつらを利用して…適当に遊んでいたんだわ。
当時、俺の上に『かわちゃん』というのが居て『良く真人間になれ』
なんて言うからムカついて、ブロックで後ろからぶん殴ってやったら下半身不随になりやんの…
多分、その事で、リーダーの『下ちゃん』を怒らせて…殺されたんだと思う。
まぁ、裏で下ちゃんに隠れて色々やっていたから仕方ねーけど。
これが、雑だが俺の前世の記憶…だ。
尤も虫食いで偶に思い出す位だ。
◆◆◆
そんな、転生者の俺だが、この世界に来てからは悪さはしてない。
ジムナ村っていう田舎の村が俺の転生先だったんだが…
この村は、簡単に言うとド田舎。
そして凄くのどかな村だったんだ。
そして村人は基本善人。
優しい村長に村人。
俺は生まれて初めて『綺麗な物を見た』
その綺麗な物が凄く愛おしかった。
綺麗でキラキラしていて、前世の俺じゃ見られない綺麗な世界だった。
ドルマンは頼りないけど正義感が強く、優しい奴だった。
剣聖のエルザはボーイッシュでおっちょこちょいで能天気。
聖女のセシリアは優しくお姉さんみたいな奴。
そして賢者のイザベルは妹みたいに頼りないけど放って置けない奴だった。
全員が俺の幼馴染で大切な宝物だったんだ。
此奴らの為なら命を張れる位にな。
こんな優しい世界に生まれ変わらせてくれた女神にも感謝した。
だがな…
全部偽物だったんだ…ひでー話しだよな。
だから、親友って俺が呼んだぶん…
取り返してやる事にした。
もう『俺の宝物』じゃねーからな。
お前等がどうなっても笑って見てられるぜ。
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