第3話 ~空駈けるメッセージ~

〜朝〜


火の粉は遂にソラカケの元に到達した。

「あなたはヒブサメ!?、ヒブサメよね!?」


タビロドの姿は愛するヒブサメに見えていた。


「こんなことがあるのかしら。夢見たいな日だわ」


タビロドはソラカケをがっかりさせまいと

ヒブサメの振りをすることにした。


「一緒に空をお散歩しましょう!色々と案内するわ」


そういってソラカケは空飛ぶ馬に乗り、前に進み始めた。


「君の矢を射る姿は美しい」

「ありがとう。でも技術ではヒブサメさんには敵わないわ」

「僕はあんなに遠くの的を射抜くことは出来ないよ」

「私だって連続で素早く複数の的を射抜くことはできないし…」




〜昼〜


いきなり空が黒雲で覆われ始め、その雲が全体を埋め尽くそうとしている

「私の出番ね」


ソラカケは遠くにある雲の核のような物体に向けて

集中し矢を射った。


すると矢から不思議な振動が伝わり、周りの雲を晴らし始め

核に矢が到達すると周りの雲が綺麗さっぱり消え去った。


「すごい..」

「これが私のなすべきこと。この雲を放っておくと世界が覆われ虚無となり、私たちが生きていくことができなくなる」

「だから、毎日この矢を射っているの」

「重荷ではないの?」


「使命感かなぁ。毎日続けられれば大した仕事でもないから」

「そうか。なら良かった」




〜夜〜


地上から火の矢が飛んできてそこには矢文がついていた。

ソラカケはその手紙を読んだ。


「なるほど。そうよね。直接ヒブサメさんが空に来れるわけないよ…」

「でも今日は何だか嬉しかったなぁ」


「すいません、本当のことが言えなくて」

「いいの。幸せな時間だったから…」


「いつかずっと一緒にいられるといいなぁ」

ソラカケは一筋の涙をこぼした


「そうだ!あなた私の子供にも会いにいってよ!」

「お子さんいらっしゃるんですか?」

「あれ?ヒブサメが話してなかった?」


「私たちじゃ立ち入ることのできない地下にいるはず。」

「あなたなら行けるかなと思って」

「わかりました。ちょっと探してみます。」


「多分地下に行けばすぐに会えると思うから。私から愛してるって伝言を届けてくれる?」

「はい!」


「それじゃ。またね!ありがとう!」


タビロドはゆっくりと地上に降りていった。


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【Music & Movie】

Music of Delusion - ソラカケ / Arrowsky

https://kakuyomu.jp/users/Bobty/news/16817330663391376668

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