第5話、世界の続き
「う〜ん」
僕は今、行き詰まっていた、
「この先の展開が、思いつかな〜い、よ〜」
「え?お前、魔王だしたり、先代魔王だしたり、二代目魔王やら三代目やら、未来の魔王やら、神々やら、剣王やら剣帝やら帝国王やら精霊王やら、むちゃくちゃだしてるじゃんか」
ものすごい早く一樹の口が回った、
「おう、よく噛まずに言えたな」
「俺も少し驚いてる、何であんなにだしたのか分からねえは」
いや、そんなことより、帝国王とかは最近だしたキャラだし、教えてないんだよな、まさかこいつ、
「おい!、一樹お前、僕の小説見てるだろ?」
みてないと今のことがつじつまが合わない、だって知らなかったら帝国王なんてわかるわけないし、しかも先代魔王なんて最近登場してないし、こんなの読んでくれてないとおかしいよ、
「、、、み、みてない」
何だ、その漫画に出てきそうな、目が右を向いて、口笛を吹く仕草は!
「一樹!、一樹の小説も読ませろ、僕のだけ読むなんてずるいぞ、お前のも見せろ」
僕は一樹がベットに横になり漫画を読んでいるとこに乗っかり、『読ませろ、読ませろ』っと言いながら、押しつぶした
「待て待て、漫画が俺の聖書が、撃進が、曲がる〜、お願い、マジでストップ!」
!わかった、僕は動きを止めた、
「はあ〜たっく、」
一樹が本棚に漫画を戻したのを確認した僕は、再び押しつぶしを開始しようとした、
「はい、いいぞ」
そう言われたが、なんか、、、なんかそんな気分じゃなくなった、
「何、このBLにありそうなこれは何?」
「な!お前、そう言うのもみてるのかよ!」
「は?お前、まさか、BLを苦労するか、イエローいや、貴様BLを愚弄するものは、初めからレッドカードを切れてやろうか」
翔が目を大きく広げて一樹をを見つめる、『答えによっては今すぐ亡きものにする〜』っと言うのがその目から伝わってくる、
「いや〜、その、あ〜、正直、俺にはその、BLの良さ?みたいなのよくわからん、前に翔が俺に食わず嫌いしてるって言ったが、確かにその通りなのかも知れない、俺は、、、」
そう言う、一樹の目は少し沈んでいた、僕に悪いと思っているのか、本当の答えはわからない、でも今、彼は包み隠さず、そう言ってくれた、『よくわからない』っと、
「なら、読んでみない?今から」
「え!、お前、BLも描くのか?」
「いや僕じゃないよ、僕の小説仲間の人が書いたBL小説があるんだよ、その人すごいんだよ、星1000も貰ってるひどでね」
こういうところ、俺はすごいと思う、こいつは本気で自分の物語を愛してつくっている、自分だけのオリジナルの世界を想像して構築して、そうしてできたものを本当に楽しそうに書いている、
『みてみて、一樹くん、僕やっと昨日一章描き終えたんだ〜、ざっと1200000文字、まあ、僕なんてまだまだだけど』
そう、まだまだだけど、こいつは他の小説も読んでいる、そしてめちゃくちゃ俺に勧めてくるんだ、
「なあ、翔はさ、嫉妬したりとかないの」
「え!」
まずい、また!、
一樹はまずいと思い話を変えるか、それともとりあえず軽めの謝罪を入れるか、その選択を決定する前に、翔が話始めた、
「嫉妬か、、、するよ」
あ、、、あんなに、他の小説を楽しそうにさも、、、そう思った時、一樹は考えるのをやめた、そうすると翔は話し始めた、
「そりゃ〜、、、嫉妬するでしょ、書いてる人はみんなそれを目指してやってるんだから、だから頑張って考えて自分の納得のいく世界を想像して、それでも、認められることは限りなく少ない、」
そう話す、翔には、自分も思っていた時があった、ような、俺が知らない、中学時代に、そう言うことがあったんじゃないか、そんなことさえ思った、
「でも、それでも、僕含めて、世界を想像している人たちは、想像することをやめることはできないんだよ、、、」
そう言うと、翔は自分のℹ︎patを取り出し、そのBLの小説を一樹に向けた、
「読んでみてよ、きっと面白くて他のやつにも勧めたくなるからさ、」
「あ、おう」
そう押し切られて一樹はそのBLの小説を読み始めた、それをみた僕は、小説の続きを書き始めた、
何時間かの静かな時間が流れる、聞こえるのは、ページを捲る時に聞こえる音と、パソコンのキーボードの音が不規則に流れる、
そして、ちょうど、翔が1話書き上げたタイミングで、一樹も第一章を読み終えたようだ、
「ど、どうだった」
「う」
一樹は腕を顔に持ってきて、目を押さえた、そして僕に少し小さな声でそういった、
「ああ、これは、確かに、男がみての、泣ける、少女漫画のタグのものだわ」
そう一樹が言うと、翔はこう思った、、、『おう、チョロ』っと思ったが、やはり、自分の好きなものが他の人にもわかってもらえたらすごく嬉しい気持ちになる、
「ふん、笑、そうだろ、面白いだろ」
こいつは、完全な作家病になってるな、そう思いながら俺は何も考えずそのBLのURLを教えてもらい、翔が帰った後も読んでいた、
「お〜い、一樹、お風呂入ってよ〜」
「わかったよー、たく」
一樹が風呂に入っていた時、その部屋に一樹の母が侵入しBLの小説を読んでいるのがバレてしまうのはまた別の話、
「もう、いいだろ!」
一方、翔は、
「一樹、気に入ってくれてよかったな、」
笑顔で思い出していると、あの言葉も思い出されてしまう『嫉妬しないの』
「するよ、一樹、しないやつはいないよ、でもね、一樹、それよりもみんな、自分の世界を想像することの方が大切なんだよ、それは僕も」
そう言って、翔はまた今日書き上げた最新話を投稿した、
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