第21話 デスペラード11

「こんなクソ溜め、誰が欲しいんだよ!」

 ラウが2丁の拳銃を構え、ダリスに向ける。


「撃つなよ、まだ情報が必要だ。」

 イジーもまた、銃を構えたままダリスを見る。


「まったく、愛国心ってものが無いのかよ、……まぁ、俺も無いけど。」


「右に同じく!」

 ダリスに続いて、うさぎも答えると頷き合う。


「おい、答えろ。お前は、どこから来た?潰れた死体はお前がやったのか?」

 ステファンも、銃を片手に問いただす。


「死体って、あれは人なのか?わけの分からないこと言ってたし、アイツ等は、失敗作だから使いたければ、持って行けって言われて。いらねぇ、って言ったのに、死体になったのが、勝手について来たんだ。あんな狂暴なの、こっちだって願い下げだぜ。」

 ダリスは、うさぎを見ると、うさぎは大きく頷いた。


「あの失敗作は、どこで手に入れた。」

 イジーが、銃を下げた。

 警戒を解いたわけではなく、隣りのジェンに任せただけだ。


「ここでだよ。」

 ダリスが不思議そうに答える。


「はぁ?ここって……、第二セクターか?それとも警備隊本部か!」

 ステファンが、呆気にとられているとダリスが手を上げる。


「誰か来たぜ。」

 ダリスは、うさぎを見ると頷き合い。


「では、また。」

「ご機嫌よう。」

 ダリスとうさぎは、恭しく頭を下げると消えた。



 ダリスとうさぎが消えると、すぐドアがスライドして、男達が入って来た。


「電波障害が起こっている。」

 先程まで、尋問していた監視官がドカドカと入って来た。


 勝手に隅々まで、チェックをすると、慌てて自分の部屋から出てきた部長と話している。


「お前ら、何か見たか?異常は?」

 部長の問いかけに、みな固まった。


「いつも異常だから、どれが異常なのか分からねーよ。」

 ラウが、どかっと椅子に座る、チェルシーも「そうね、正常ってどんなだったかしら?」と人差し指を唇にあて、頭を傾げる。


 監視官が舌打ちをして、部屋を出て行った。


「お前ら、面倒を起こすなよ。」

 部長は、頭を掻きながら部屋に戻って行く。


 皆が、重いため息をついた。

「おい、なんだ、どうなってんだ?」

 ジョンが、ハッチに問いかける。


「あの頭は人間、体がアンドロイドを第二セクターで、作っているなら……、そんな小規模な施設で作れるのか?」

 ハッチは、ステファンを見た。


「失敗作って言っていた。複数作っているような言い方だし、……とても、資材があるとは思えない。どこで隠れて出来る?俺達は、チップを埋め込まれている。登録されている場所以外で何時間も過ごせる訳がない。」

 ステファンは、力尽きたように座り込んだ。



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