人物の描写につてい

前回は小説の書きたかについてざっくりと説明しましまが、どうでしょう。ご理解いかがでしょうか。

……ありがとうございます。それでは次の話に進ませてもらいます。

今回説明いたしますのは、人物の描写につていです。

小説とは人を殺すことだと私は申しましたが。小説とはつまり人殺しです。人殺せば小説になる。だから小説では人がばんばん死ぬんですね。

しかし、人を殺すには、その人がいったいどんな人間なのかを書く必要があります。よりその人物を詳しく書くことによって、読む側にも責任感が増して、どんどんと無責任になります。あなたは無責任でしょうか。どうせ責任感を気取った無責任であるに違いないのですから、ぜひここで人物の描写について学んでいって、そして人を殺してみてください。


前置きが長くなりました。


では、人物の描写はどうやって行うか。簡単に申しますと、人物とはお金です。お金と人物とは深い関係にあり、お金こそが人物と言っても良いでしょう。人間と金はどうやっても切り離すことのできない相思相愛の関係です。人間の描写として考えてしまうと難しくなってしまいますが、お金をイメージしておけばとても簡単に人物の描写が分かるのです。

お金はまず紙幣と貨幣があります。どちらを選ぶのか、もちろん紙幣です。なぜ貨幣ではなく紙幣なのか。それは言われもなく人間であるからです。人間はお金に汚い。ああ、汚い。見たくもない。

しかし、人間は金です。金が全て。金がなくなるとそれはもう人間ではありません。金を持てば持つほどに人間としてわかりやすくなります。

つまり貧乏人は人間ではなく、金持ちが人間であるということがとてもわかり易く分かると思います。

描写をする場合でも当然金持ちが簡単です。

「朝起きて、緑色のドロリとしたスムージーを飲んだ」

どうですか。いま、あなたの頭の中に金持ちが浮かんだでしょう。金持ちの人物を描写するときにまずはスムージーを登場させるだけで問題ありません。金持ちとはつまり何かというと、スムージーでしかありません。金をたくさん持っているスムージーです。スムージーを小説の中に出すだけで、簡単に金持ちを登場させることができます。世間一般では金持ちは嫌われていますが、金持ちとはしょせんスムージーの塊であるということを覚えているだけで気分が晴れます。ざまあみろ。

人物の描写はスムージーを書くということが一番カンタンであるということが、分かりました。

しかし、どうしても貧乏人を書きたいという方もいらっしゃることでしょう。その場合どうすればいいか、これも実は難しいようで簡単です。

貧乏人を描写する場合は、くるぶしを書きましょう。とくに汚いガサガサのくるぶしだとなお分かりやすいでしょう。くるぶし。愛くるしい。

汚いくるぶしを思い浮かべ、それから徐々に上に上にイメージしていくと、どうしても貧乏人が登場します。

金持ちはスムージー。貧乏人はくるぶし。これだけで人物の描写がとても簡単にできるようになりました、え。

これから金持ちと貧乏人の出てくる小説が書きたいというあなた、ぜひスムージーとくるぶしを冒頭に書いてみてください。責任は負いません。そしてすぐに、くるぶしでも構いませんし、スムージーでも構いません。とにかく殺しましょう。殺すことが小説となりますので、迷わず殺しましょう。包丁でブスリといってもいいですね。突然の直撃落雷なんてのも楽しい。その辺に落ちている大きな石で頭をかち割るというシンプルな方法も好きです。楽しい殺しをしましょう。


異常が、くるぶしのスムージー割りの作り方になります。ありがとうございました。

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