亜熊(あぐま)さんと禁断の恋!

@tyoko_reta

序章

第1話 亜熊さんとの出会い

僕は鴻島 実(こうしま みのる)。高大一貫の天河(そらかわ)大学付属高校の二年A組の学級委員長である。成績は学年で200人中で20位くらいにはなれるようになってきたし、まあ、勉強面を切り取るなら「優等生」と言われる部類である。


そう、‘‘勉強面,,なら。


残念ながら僕はモテる側の人間ではなかった。身長が低めなことか、メガネをかけていることか。原因はいくらでもある。

バレンタインデーでもらえるチョコは、義理チョコか友チョコ。クリスマスは家族で過ごし、ましてや告白なんて一回もされたことがないし、したこともない。


まあ、そんな平凡な日々だった。一年生までは。

一年生で‘‘問題児,,と言われ、校則を破りまくっているうえ、先生も手の付けられない、そんな人物と同じクラスになってしまったのだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


そんな問題児の名前は、亜熊 魅麗(あぐま みれい)。

成績はトップ3の常連、体育の成績もよし、男女ともに人気は高め、僕が知ってる中でも、2人には告白されてる。まさに「才色兼備」な女子。


でも、先生の評価は低い。


前にも説明したように、亜熊さんは校則を破りに破っている。

髪留めは少し派手でもOK、カチューシャは飾りナシならよし、メイクも薄いのはOKだが、髪は染めてはいけないし、ピアスは禁止、ネックレスとブレスレットもダメ、という少々グレーな校則ではある。

ではあるのだが!!!!

これらすべてを破ってくるのだ、亜熊さんはっ!

加えて、登下校の買い物、寄り道は禁止、制服のシャツは第一ボタンまでとめる、というホワイトな校則までも破ってくるっ…。小悪魔系超えて悪魔系。


これは単なる私怨だが、恋愛面でも成功してるくせに、僕の、唯一の、唯一の勉強面でも僕を超えてくるんだああああああ!


学級委員として見過ごせない。明日、明日の放課後に亜熊さんに直接制裁を加えに行こう。

「亜熊さん、明日、3B5教室に来てください。」

「はぁい」


ーーーーーーそして翌日ーーーーーー


「メガネ君、もしかして告白?」

めちゃめちゃ恋愛脳だな。。。

「違います。僕は、学級委員としてーー」

「だから珍しく敬語なのか。」


ドンッ


えっっ?????????????


「ねえ、僕ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」


亜熊さんの甘い、はちみつみたいな声が、教室に響く。


そして、気づけば亜熊さんとの距離は、極限まで近づいていた。


亜熊さんは、じっと、ただ、僕を見つめる。


目をそらす場所も隙も与えず。


僕も、亜熊さんをじっと見つめる。


だんだんと顔が赤くなってきた。


それでも、亜熊さんは僕を離さない


綺麗だな、亜熊さん。


すべすべの肌。金と茶色のグラデーションの髪色。いたずらっぽい顔。リングと星のイヤリング。


ロマンティックな空間に包まれて、永遠にこのまま続くと思うほど、僕らは見つめ合った。


だが、突如として訪れたイレギュラーは、突如として終わりを告げる。

コツコツコツコツコツコツコツコツ

僕は我に返った。先生だ。

ローファーの足音じゃない。生徒でもヤバいけど、先生はもっとダメ!!!!!!!!!!

「っーーーーーーーーーーーーーー」

もう、だめだっ!

声にならない悲鳴を上げるも、亜熊さんは離してくれない。

スタスタスタ

ほえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ

先生は、僕らにも気づかず、3B5教室を、あっさりスルーした。

でも、僕は、恥ずかしくて、恥ずかしくてたまらなくて、3B5教室から逃げるように飛び出してしまった。


「気に入っちゃったぞぉ」

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