ずっと好きだった幼馴染を虐めてしまった。そして幼馴染はずっと隠れて私達を守って消えてしまった。

激 辛

第1話

私には幼馴染が居る。家が隣で小さい頃からずっと一緒の大切な幼馴染。


私達はずっと仲良し、何があっても仲良しだ。例え私が虐めても。


ーーーー


その日は、幼馴染元気がなかった。今まで一番に元気がなかった。


でも、私がやることは変わらない。これが私の愛情表現だし、関わり方だし、いつまで経っても告白して来ない、優が悪い。


優の足を引っ掛けて転ばされてやった。



ーーー

数週間後


「ねぇ、優」


私の友達が優に話しかけてくれる。


「どうしたの夏?」


「優ってさぁ好きなの人居ないの?」


「えっ、どうしたの??急に?」

優は顔を赤くし、オロオロし始めた。


「いやさぁ。優っていつまでも彼女出来ないじゃん」


「・・・っそうだね」


「それで思うんだけど、・・・春に告白してみないの?幼馴染なんでしょ」


いい質問だ。


「・・・俺は告白なんて出来ないよ」


「はぁ」


思わず叫びそうになったけど、なんとか抑えた。


「えっ、どうして?」


「俺なんかが付き合えるわけないし」


こうである。優はいつまで経ってもチキってしまう。


「いやいや、でもこのままだと、春ちゃん取られてちゃうかも」


さらに良いこと言ってくれた。


これで優も少しは焦ってくれる。顔も辛そうだし


「・・・もしそうなら、春が幸せなら良いかな」



・・・


一瞬止まった。そして怒りが出ている。


「春ちゃん、落ち着いて」


「優!!」

私は思わず声を出す。


「・・・春」


そして、優にも当然聞こえてた。



怒りはあった。いつまでチキッて居るんだって、それでも男かと


でも流石にこの状況で私も言うことが出来ずに抑えた。


ーーーーー


それから、私は優への当たりが強くなった。


その日は弁当を壊したり、陰口を聞こえる声で話した。


ーーーーー











   



その日、私の前にありえない、生き物が現れた。私より何倍も大きく、その魔物は建物を破壊して、私に向かって来た。


恐怖で動けなかった。周りに助けてくれる人も居なかった。


そして、魔物は踏みつけようとして居た。


死を感じた。そして、最後に走馬灯のように優のことを思い出した。


こんなことなら、私から告白してキスの一つくらいすれば良かった。


後悔が抑え寄せる。もっとすれば良かったことは沢山あった。


「助けて優、助けて」


私は叫んだ。涙を流して、ずっと虐めてた、ずっと弱いと思っていた優に助けを求めた。


その瞬間


一瞬で、魔物は消えて、私は落下した。


そこには姫様抱っこで受け止めてくれる優が居た。



「春ちゃん無事だった??」


私の頭は付いていかない。急に現れた魔物、急に訪れた死の瞬間、急に助けられて私、助けてくれたのが優。


状況は分かるが、理解出来ない。しようと思えない。


そして、優は私を下ろす。


「あっ、」

姫様抱っこをして欲しかった。


「優、どうして、ここに、あとさっきの力は」


慌ててる私に対して、優は笑顔をする。


「春」


そして、優は急に安心が終わったのか、表情が変わり、涙を我慢して居る。


「何があったの?優どうして、こんなことを隠してたの?」


そんな優のことを無視して私は話しを続けるのだが、


「春、聞いて欲しいことがあるんだ」


「何よ!」


助けてくれたが、隠してたこと、理解が追いつかないことから思わずこんな言葉が出てしまった。(元から、こんな口調だが、)


「俺、春に会えて良かった。」


「・・・何を、こんな時に告白??告白でだませ」


優の体が消えている。


「ちょっ、優その体は」


「ごめんね、春」


優は私に抱きつく。


「優、どうして、どうして」


「俺、春のこと好きだったけど、これからは幸せになって」


「そんな話しはいいから!!今は」


「俺、春が俺の返事を待ってるの知ってたけど、言えなかった」


「待ってよ。それでこんなタイミングでってそれは無いでしょ」


「そうだね。ごめんね。」


「謝らないでよ!!謝る気があるなら、これからも」


「春、俺のことを忘れて幸せになって、新しい人と」


「辞めて!!それ以上は言わないで!!」


「幸せに」


私の体にあった優の温もりが完全に消えた。

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