ひげを剃る。そして元女子高生と結婚し、幸せになる。
せんと
プロローグ
⚠
この二次創作は「後藤愛依梨・下巻」を読んだ、自分を含めた沙優ファンの方々への救済措置として連載を開始しました。ご了承下さい。
また、最初から読むだけで何も残す気がない方、ブクマだけ勢と呼ばれる、文字通り感想やレビューを絶対に書かない方が読まれることもご遠慮ください。
最近特に冷やかしが多いため、このような注意書きを冒頭に表示することになりました。
作者の創作モチベーションアップにご協力いただけると嬉しいです。
◇
あのデートの帰り。
家にやってきた沙優に、俺は自分の気持ちの全てを告げた。
後藤さんに言われた通り、沙優が俺にとって何なのかを、ずっと考えていた。
出会った頃から沙優の魅力に惹かれていたにも関わらず、保護者としてあるべき考えがフィルターとなって気持ちを曇らせ、それは告白の直前まで俺を惑わせていた。
身体の関係を持つ想像ができないことは恋愛じゃないと、果たして本当にそう言い切れるのか?
それに俺は昔、沙優に欲情し風呂場で一人処理したことだってある。
答えを急ぐ必要は無かったが、ここを逃してはいけない、なんだかそんな気がして。
「......俺は......沙優にずっと笑顔で......隣にいてほしい」
正面から抱き掛かる俺の言葉を、沙優は瞳を大きく揺らしながら耳を傾ける。
相手を幸せにするとか、驕り高ぶった気持ちは微塵もない。
またいつか沙優が俺の前から姿を消してしまうことの不安を想像し、全身の血の気が引き、ぞっとした。
振って相手を傷つけてしまう選択よりも、俺は我が身可愛さに沙優を選んだのだ。
つくづく成長しない男で嫌気がさす。
「......本当に、後藤さんじゃなくていいの?」
顔は見れなくても震える声音と身体でわかる。
「......沙優の作った味噌汁の味が忘れられそうにねぇんだよ」
「.........そっか.........じゃあ、しょうがないよね」
スンと鼻を鳴らし、決意を込めた呼吸が耳に伝わる。
「私も......ずっと吉田さんの隣にいたい!!」
――その日から、冴えないサラリーマンと元家出女子高生は、恋人になった。
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