4章第5話 廃宿に裏カジノ姫が着く
サーキュは、まだ裏カジノについていないがそろそろ来る時間だということ。そこでウィンドウはサーキュを待った。
しばらくして足を踏み入れた1人の20代の女。ピンク色の髪色の長髪にタンクトップと短パン。どう考えてもだらしない女。
しかし、絶世の美少女といえるほどでだらしない格好なのに美しさもある。
その女にトメイトがまず声をかける。
「サーキュ、ちょっといいかなあ?」
「なんだ~オーナー? まさか出禁とかいわないわよねえ?」
「出禁にはしないって。実はサーキュにお客さんがいてね」
「誰だ~?」
トメイトの案内でサーキュはウィンドウの元へやってきた。
サーキュはウィンドウに圧をかける。
「何だ~お前?」
「あなたがサーキュさん? 私はウィンドウ。ストーム王子の側近」
「王子の側近だと~? 私が指名手配だから捕まえに来たわけ~⁉」
激怒したサーキュは短刀を抜いてウィンドウに刃を向ける。
トメイトは動じるもウィンドウは動じずに話を続ける。
「今日はサーキュを捕まえるために来たんじゃない。サーキュには楽しいギャンブルをさせるために来た」
「楽しいギャンブル~? ギャンブルは楽しくて当たり前」
「こんな裏カジノでやるギャンブルなんて大したものじゃない。それよりも大金がもらえるギャンブルはどうだ。その代わり命を懸けることになる」
「いいじゃねー。ギャンブルなんて命懸け。大金がもらえるならついていくわよ」
「じゃあ決まりだ」
この時、サーキュは勘違いしていた。命懸けというものが、自らの金を失うのではなく、サーキュの命そのものを失うということに。
そうとは知らずにサーキュはウィンドウの言われるがままにトメイトとウィンドウと一緒に馬車に乗ってしまった。
これがサーキュによる地獄への入り口となる。
サーキュが廃宿ダークフォレストに着いたのは午前1時30分。その場所を気にしたサーキュはウィンドウに聞く。
「おい、ここなの? こんなところでギャンブルなんてやるの」
「ああ、お前にふさわしいギャンブルがある。とりあえず入れ」
ウィンドウはサーキュを廃宿に案内すると、うさ耳のメイドさん達が出迎える。
「お帰りなさいませ。ウィンドウ様」
「ああ、ただいま。それで、このタンクトップの子がレーモンの対戦者。対戦部屋に案内して」
「かしこまりました」
サーキュはうさ耳のメイドさんの案内で対戦部屋へ行く。
そこにはチェス盤と駒。そして奇妙な大きい道具があった。
気味悪いと思いながらうさ耳のメイドさんの案内でサーキュは客席に着く。
うさ耳のメイドさん達がサーキュの体をロープで縛り、1つの装置につける。
「おい、何のマネだ?」
サーキュが答えるとうさ耳のメイドさんが答える。
「今回のゲームで必要な事でございます」
「ゲームで必要? チェスじゃねーのかよ」
「それについてはレーモン様がご説明なさいます」
サーキュがそんな話をしている頃、ウィンドウは私がいる2階の部屋に入る。そこでウィンドウは黒いドレスを着て、青い花飾りをつけている私を見た。
黒いドレスも青い花飾りも装備した時の効果はない。しかし今回はゲームであって戦闘を行うわけではないので黄色いドレスや黄金のティアラで体力回復に傷を治すことや魔力回復は必要ない。
また、レーモンには不気味なお姫様をアピールさせるという考えがあった。
「お待たせレーモン。ドレスと花飾り、かわいい」
「ありがとう。今日の対戦者に見せるにはいいコーデかな?」
「いいコーデだと思う」
「ここにあったドレスはウィンドウのものらしいけどうさ耳のメイドさんに聞いたら着ていいらしくて借りちゃってる」
「いいよ。むしろレーモンがほしいならもらって」
「いいの?」
「うん、それあまり着ないし古着。捨てるつもりだったから」
「もったいない。じゃあ……ありがたく」
「うん。それで、早速始める?」
「はじめるよ。対戦者を待たせているんでしょ」
「うん」
私はウィンドウとうさ耳のメイドさん達の案内で対戦部屋に入る。
そこには毒舌で態度の悪い感じのオーラを放つピンク色の髪色の長髪女がいた。
すでに2つの拷問道具のロープで胸や腹部、足の腕を縛られている。
私を見た女、つまりサーキュは私に話しかける。
「何だお前? ここの主?」
「主ではない。主は白猫の亜人であるウィンドウ。私は今夜、あなたとチェスの対戦をする姫、名はレーモン」
「レーモンねえ。先に名乗って、おりこうさんのつもり?」
「おりこうさんじゃない。それよりあなたの名前は?」
「サーキュよ。それでこの縛られている状態は何?」
「それについて説明しよう」
私は今からどんなギャンブルをするかを説明する。
ルールはチェスと同じ。ただし、サーキュがチェスの駒をレーモンに取られた場合、その駒の点数分サーキュはロープで絞めつけられる。
例えば、ホーンは1点、ビショプとナイトは3点、ルークは5点、クイーンは9点という点数。以上の点に応じた回数分、ロープと連動している滑車を回して締め付けるということ。そしてチェックメイトで敗北は死ぬまで締め付ける。
縛る方法は拷問道具に取り付けられたロープをしめたり緩めたりできる滑車で行う。
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