未定
@riry_---
第1話
「なにあれ」
目の前で蠢く物体(人物)にガーネットは呆然とした。
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「これもお願いね」
茶色い髪の美しい女性が青い髪の女に宝石のたくさん付いた高価そうでしかしかなり汚れた服をポンと手渡した。
「はいはい」
青い髪の女は茶色い髪の女性から洗濯物を受け取る。
茶色い髪の女性は綺麗なストーレートの茶髪、シンプルでしかし所々に煌めく石の散りばめられた高価そうな服を着ている彼女はこの家の稼ぎ頭。この屋敷の次女アイリーンだった。今日もこれからいつものように魔物討伐に行くのか剣と多数の魔石を装備している。
「今日は洗い物少ないね」
「昨日の討伐は集団討伐で私が出たのは大物を倒すときだけだったからね」
「いつもそれくらい余裕のある討伐してよ心配だよ」
「ソロで討伐に行った方が報酬独り占めできるから稼ぎやすいんだよ。楽しいし!」
「楽しさより命を大事にしてよ」
アイリーンが拳を上げて力説していると、扉に開く音と共に、金に近い茶髪、ウエーブのかかった髪型をした女性が部屋に入ってきた。
「おかえり、アイリーン。今日も元気ね」
スーザンは寝不足なのかクマをつくった状態で笑った。彼女はこの家の長女だ。
魔法で博士号をとり、若くして准教授をしている彼女もまたさっぱりした格好をしていた。
出勤するなら制服を着ているはずだが、そうではない。
「今日は休みなの?」
「午後出勤よ」
スーザンはあくびをして答えた。心なしかだるそうである。
「もしかしてまた部屋ぐちゃぐちゃ?」
「...」
「あとで片付けに行くからね!」
「えへ」
スーザンは研究に没頭しすぎる癖があり、集中すると他のことがみえなくなる。寝る前に論文を読んだり研究を始めると部屋を本だらけにしたまま朝まで書き物をしたり何日もご飯を食べず出てこないことがあった。
「あなたは?」
「私はこれから掃除洗濯をするよ。ご飯はできてるから」
スーザンに予定を聞かれたガーネットはそう言って笑った。末っ子のガーネットは生活魔法が得意でこの家の家事を一手に引き受けていた。部屋から出てこなくなるスーザンの生存確認をしたりこまめに掃除をしたりしているのはガーネットである。
ガーネット自身、姉たちのことが大好きなので得意分野なこともあって好きでやっている。
姉たちがいなくなったあと、ガーネットは行っていた部屋の掃除を再開した。掃除は魔法で全て終わりなんて簡単なものじゃなく箒で掃いて雑巾で拭いてとこびりつき汚れのみ魔法で除去する方法だ。こびりつき汚れの魔法を全体に使うとそこらじゅうがぼこぼこになってしまう。調整の難しい魔法なのである。ただ、浮遊の生活魔法で箒も雑巾も手で触らず使えるからその点では体力の消耗はなく少ない魔力で済んで楽だ。
「さーて、毎朝の室内清掃おわり!」
ピカピカになった部屋をみてガーネットは満足げに笑った。
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