ひらりひらり 自主企画「花束を貴方に」

 自主企画「花束を貴方に」

 企画 URL https://kakuyomu.jp/user_events/16817330666018069953?order=published_at

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 僕は今、目を奪われた──

 それは物理的ではなく、視線を。美しかった。儚く夢の様な透明な彼女に。

 彼女は頬に桜の花を咲かせていた。

 だけどそれも彼女を引き立たせるアイテムと化している。

 全てが美しい彼女に僕は惚れた。だけど、それと同時に彼女は別の人が好きだということも分かった。理由は頬に花を咲かせているから。


 『花咲病』


 それは奇病と言われる特殊な病気。病名の通り、花を咲かせる病気。ただそれは地面に花を咲かせるのではなく、身体にだ。片想いが強ければ強いほどかかってしまう。それがこの『花咲病』と言う病気だ。

 僕にはどうすることも出来なかった。だって彼女が片想いをしている人は別の人。

 彼女の花がひらりひらりと散る時、彼女は誰かの隣で微笑んでいるんだろうな。



「桜」花言葉 フランス語「Nem’oubliez pas(私を忘れないで)」

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