第23話 シンデレラ城
ここは何処?辺りを見回すと銀座の高層ビルから飛び降りたはずなのに、ビルが一つない。辺りは心地の良い風の吹く草原であった。
うつぶせの状態から上半身だけを起こし辺りを見回した。何もない...。一面草原。懐かしいな...「清い水」近くの草原を思い出す。よく美佳と遊びに行ったな...。って思い出にふけっている場合じゃない。ここは何処なの?
まさか、故郷に戻ってきたの?確か、銀座のど真ん中で宙を浮かぶお地蔵様から、ナイメール星から事故で地球に飛ばされたと聞かされた。
そして私は、ナイメール星に戻りたいと彼らに告げた...。ナイメール星に戻るために、黒い溝に飛び込んだはず。
と言う事は、ここはナイメール星なの?生まれ故郷に帰ってきたの?パパやママは何処にいるの?
会いたい、パパやママに...。でも、どこにいるのか分からない。私は5歳から地球で暮らしている。今はもう20歳だ。私だと分かってもらえるだろうか?それに、美的感覚が地球と反対らしい。私はブサイクな部類だろう。会ってくれるのだろうか?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
一人草原で物思いにふけっていると、おそろいの黒装束を着こみ、ファントムマスクの様な仮面をかぶった者たちが、いつの間にか私を囲んだ。
な、何なのこの集団は、体型がバラバラだ。お笑い集団なの?それとも、ユーチューバー⁉
身長が2m近い者もいれば、私とほぼ同等の者もいる。それに、ドラム缶の様な美ボディーを持つ者から、ひょろっとした枯れ木の様な者。そして私と同じくくびれのある、残念ボディーな者など、様々だ。
な、何が目的なの。私は襲われるの?
どうすべきか分からず困っている私に、すごくプロポーションのいい女性が、「何だい、あのブサイクは!情報と違うじゃないかい!まれにみるブサイクな顔をしているし、それにくびれ持ちだよ。二束三文にもならないよ!」と言い放った。
「す、すみませんミルミル様。情報じゃ珍しい洋服を着ている女が倒れていると聞いたので...。まさかこんなブサイクだとは思わなくて...」と言いながら、大きなミルミルと言う女性にペコペコと謝っている。
「あんなブサイクなんかどうせ売れないから、洋服だけひん剥いて、ゴブリンにでも犯させて、酒のつまみにでもするかい?それともオークのぶっといモノでも経験させて、昇天させてやるかい?グワッハハハ!」
そう言った後、大笑いをした。ミルミルの周りを取り囲む者達も「そいつは面白そうだ!」と、私を見てにやにやと笑っている。
汚らしいオーラをまとった者達だ。仮面で顔を隠しているという事は、私と同じようにブサイクな者たちなのだろう。身も心も汚らしく落ちぶれた者たち...可哀そうに。
私を蔑むような目つきで見ていた集団の一人が、「ミルミル様!あの女はスキル持ちの様です!鑑定と料理スキル、言語能力スキルまで持ち合わせています!」と言った。
「な、何だって!大当たりじゃないかい!どんなにブサイクでもスキルが3つあれば高く売れるよ!イケメン獣人を大量に購入できるよ!」と、私を見る目が変わった。
「フードでも被せて、さっさと売っちまい!ちゃんとスキルが3つあることを奴隷商人に言って、高く売るんだよ!ブサイクだからって買いたたかれるんじゃないよ!ラン!」
私はランと呼ばれた女性に、全身を覆い隠すフードを被るように言われた後、首に鉄製の首輪をつけるように言われた。
「な、何で私が、こ、こんな物をつけなきゃ⁉」と拒むと、「早くつけるんだよ!このブサイクが!」と言って、ランが私の左頬めがけて殴りかかってきた。
その瞬間、「ちょっと待つんだ!」と言いながら、私たちの間に割り込んできた人物が、ランの腕を掴んだ。
すると私たちのすぐ後ろに、1人の大柄で鉄球の様な美ボディーを持つ女性と、全身にフードを被った2人、合計3人がどこからともなく現れた。
「な、何だいあんたたちは。私たちの得物だよ!横取りするつもりかい!」と、ミルミルは、大きな声をあげ威嚇した。
「私たちは20人はいるよ。たった3人で何ができる...」とミルミルが言った瞬間、3人のうちの鉄球のような豊満な肉体をもった1人が、自身の身体を滑らせるような動きで、ミルミルの背後に回った。
「ひぃ!私がいとも簡単に後ろを取られるなんて...。わ、分かったよ。く、くれてやるよ。でも、少しぐらい分け前を...」
そうミルミルが言った瞬間、ミルミルの首筋から、数敵の赤いものが垂れ落ちた。
見えなかった。いつの間にか手に持ったナイフで、ミルミルの首筋に傷を負わせたようだ。「ひ、ひい。う、うそだよ。冗談だよ。すぐに私たちは引き上げるよ!」
ミルミルたちが、立ち去ろうとしたその時、フードを被った者の一人が「お嬢様を怖がらせたんだ。誠意ある態度を示せ」と、ミルミルたちに向かって言い放った。
「す、すまなかったよ。こ、これは、私が今持ち合わせている中で一番のお宝だよ。ほ、本当にすまなかったよ」
マジックポーチを3人のうちの一人に渡し、20人ほどの黒装束の者達は、雲の子を散らすように消えさった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
な、何が起こったというのだろう。いきなり見ず知らずの場所に来て、見たこともない大柄な女性たちに囲まれ、そして一切くびれの無い、鉄球型のプロポーションを持つ美女に助けられた。
麻璃奈は余りの美しい姿をする1人に見惚れていると、その3人がマリナの元に近づいて来た。
「すみませんが、右肩を見せて頂けませんか?」と私に言ってきた。逆らっても勝てるわけがない。素直に私は、3人に言われた通り右肩を見せた。すると、「やはり3個の重なり合う丸があります。それはローゼン家の印です!」
そう、私の身体にあるアザを見て、私を助けてくれた美女は、興奮した様子で私に教えてくれた。
すると、3人はいきなり私の目の前で跪いた。
な、何で私に跪くの?麻璃奈は自分の目の前で跪く3人を、困惑した表情で見つめた。
3人のうちの一人が「お久しぶりですお嬢様!私です。キャメルです!」と、ミルミルの背後を取った、鉄球型の美しいプロポーションと美貌を持つ女性が、麻璃奈に向かって嬉しそうに話しかけて来た。
誰なんだろう?私のことを知っている様...。でも私は思い出せない。
そう思った麻璃奈は正直に、「ご、ごめんなさい。助けて頂いてありがとうございます。私のことをご存じですか?私はその、何が何だか...。すみません。あなたのことも...分かりません」と、申し訳なさそうにキャメルに伝えた。
「ご安心を。事情はバラモント様から聞いております。ご両親がお待ちです。さあ、馬車にお乗り下さい」と、キャメルは私を馬車に誘った。
「私、パパとママの元に帰れるの?あっ、ごめんなさい、私、ここでは見た目が悪いわよね。フードとマスクをつけるわ。ごめんなさい。気分を悪くさせてしまって」と、話しているうちに気がついた。ここでは私の容姿は醜い。
「いいえ。大丈夫です。我々が仕えるバラモント様も、そ、その...」と、なぜだか切れが悪い。どうやら私のパパも私と同じような外見をしている様だ。
私は馬車に乗り込み、他の2人も私を覚えているようだ。幼い頃から一緒に過ごしていたらしい。2人はフードをかぶっている。それは、彼らも私と同じ様な外見を持っているということだろう。
馬車に乗り込むとすぐに、その二人はフードを取り外した。
2人は獣人だった。昔の記憶が残っていない私にはザイフの姿は衝撃だった。日本にいるトラが二足歩行しているようなものだ。日本で見た虎ほど毛深くは無いようだが...。
まあ、私の中ではブサイクに見える。もう一人、ローファンと名乗る白豹族もいる。ザイフに比べれば、彼女の容姿は、ほぼ人族だ。しかし、私と同じくらいブサイクであった。
「お嬢様!」と言って、ローファンは私に抱き付いてきた。とても喜んでいる。幼いころにローファンとザイフは奴隷として買われ、2人と私は一緒に暮らしていた様だ。
同年代の護衛兼遊び相手だったが、私がいなくなってからはバラモント家の護衛を務めていたようだ。
「こら、ローファン!あなたは...いつも冷静に行動するようにと言っているでしょう!」と、キャメルがローファンに注意をするが、彼女は聞く耳を持っていない様だ。
「でも、どうして私がここに来ることが分かったの?」と、キャメルに聞いた。
するとキャメルが「昨日、お父上であられるバラモント様の夢の中に、お地蔵さまからお告げがあったようです。アッサム村の近くの草原に娘を戻すと。遅くなってすまなかったと」
急いで、3人に私の保護を依頼したようだ。どうやらパパもママも、私のことを心配してくれている様だ。ありがたい。
キャメルからは、私たちの到着が遅れてしまい、恐い目に合わせてしまったことを謝られた。そんな謝らないで。無事に助けてもらえただけでも、感謝しているのに。
馬車の中で、キャメルからナイメールという世界について少し学んだ。彼女はナイメールでの美しい容姿について教えてくれた。
キャメルからの情報によると、やはり地球とは美醜の基準が逆転している様であった。また、男性の数が女性に比べ極端に少ない。そして、奴隷の首輪は一度つけると二度と外せない物らしい。
ただ、ザイフとローファンは「バラモント様に買われて幸せだ」と、嬉しそうだ。
2人は「こんなに醜い私たちにも、きちんとご飯を下さるし、働きに対しての給金や休暇も下さる」と喜んでいた。
キャメルは、「奴隷の扱いは主人によって大きく異なります」と教えてくれた。「私たちは幸せです」と言い、首につけた奴隷の首輪を私にそっと見せた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
それにしてもこの馬車って乗り物はお尻にひびく。1時間ぐらい馬車に乗っていたら、お尻が悲鳴を上げてしまった。もう乗りたくない。
色々と聞きたいことは山のようにあるが、お尻の痛さと格闘しているうちに、我が家に着いた。
いや家ではない。もうお城。本当にメルヘンの世界にいるかの様。パパはこんなに立派なものは必要ないと言ったそうだが、ママが「シンデレラ城に住むのが夢だったの。これだけでいいから、我がままを言わせて!」とママが、頼み込んだらしい。
何となく、二人の力関係が分かった様な気がする。でも、シンデレラ城って...。背筋がぞくっとした。ママがどうしてシンデレラ城を知っているの?
入り口の門が開くと、数十人もの使用人が待ち構えていた。
その中央には、美しくカールされた髪を持つ、超巨大なバランスボールの様な女性と、背が高く、ほっそりとしたもやしの様な男性が立っていた。二人は腕をしっかりと組んでいて、とても仲が良さそうだった。
あんなに美しい人が、ひょろっとした男性と腕を組んでいるのを見て、彼女が彼を深く愛しているのが伝わった。そして2人からは、心地よいオーラが感じられた。
「マリナ!マリナなんだろ!」と彼らは、叫びながら私に駆け寄って来た。
「久しぶりだね。辛い思いをさせてしまった。本当に申し訳ない」と、細身の男性が私を抱きしめた。私は彼に似ている。彼は地球だったら映画スターになっているだろう。
「マリナ、ごめんなさいね。辛い思いをさせてしまって」と、女性は泣きながら謝って来た。そして女性は、豊満な肉の羽毛布団で私を優しく包み込んでくれた。
あ、あ、この感覚!暖かさと柔らかさが混ざり合った感覚。ママ、ママね。思い出した。「わ、私は!」と大きな声を出し、泣き出してしまった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ママは私が落ち着くまで、優しく抱きしめてくれた。久しぶりに、心の奥底から泣いた。
ママもパパも、すべてを受け入れてくれた。
少し落ち着いた後、私たちは一緒に屋敷に入った。バラモント家は広大な敷地を持ち、農業や酪農を広範囲にわたり行っている。多くの使用人を雇い、大きな利益を上げていることを後で知った。
そして、屋敷で働いている者の多くが、キャメルと同じ首輪をつけていた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
父であるバラモントは、広大な敷地を持つローゼン男爵家に生まれた、待望の男子だった。しかし、顔貌とプロポーションには恵まれなかった。そしてバラモントは、一人っ子だった。
ただし、彼の人柄と貴重な男性であることから、執拗ないじめに遭うことは無かった。
バラモントは20歳を超えた時、両親が相次いで他界し、彼が家督を継ぐ事となった。先代の頃から残ってくれた使用人と共に、広大な土地を開拓する毎日でった。
そんな中、一人の美しい女性が、バラモント家の所有する森に迷い込んだ。その女性は大きな体とふくよかな体格を持ち、まれにみる美貌をも持ち合わせていた。それなのに、彼女は自分自身を強く卑下した。
「私なんて、ブサイクで太り過ぎで、醜いブタと言われ続けてきた。あなたもそう思うでしょう?」と、バラモントは信じられない言葉をその娘から聞いた。
彼女はローラと名乗った。その絶世の美女ローラはアメリカ、コロラド州のデンバーという場所で生まれた。しかし、ローラの住んでいた世界では、彼女の見た目は醜く、常にいじめの標的になっていたと言った。
そして、自ら命を絶ったという。こ、こんな美しい女性がとバラモントは思ったが、嘘は言っていない様だ。
「小さい頃からダイエットに励んだ!日本食も勉強した!ジャンクフードもやめた!でも痩せれなかった!豆腐、納豆などのヘルシーな食事しかとっていないのに!」と訳が分からない言葉を叫んでいた。
何でも、余りにも不憫に思ったお地蔵様が、「弱き立場の傷みを知るお主が、同じ立場の者を救うと約束するのなら、お主の望む世界に言語能力理解を携えて、送ってあげよう」と言われたらしい。
「ママはアメリカ人だったの?私、日本に行っていたの!」と、マリナは大きな声で叫んだ。
バラモントは混乱したが、娘と妻がお互いに理解し合っている様子を見て、何だかホッとした。
話を戻し、バラモントとローラは出会ってから数か月、同じ外見に苦しめられていた者同士、2人は直ぐに恋に落ちた。お互いが好みの容姿と顔立ち、そして実直で優しい性格にも引かれ、二人は激しく愛しあった。
そして待望の娘が生まれたのだが...。
この国の感覚だと私に似た方がいいのよね。だけど私はあなたに似てもらって嬉しい。すごく可愛いものと、ローラはマリナを可愛がってくれた。他の者なら育児放棄するほど、目がくりんくりんな我が娘、ローラを...。
愛情を一身に受けて育ったマリナだったが、5歳の誕生日に馬車の事故に巻き込まれ、崖から落ちてしまった。その事故で、マリナだけが行方不明となり、連日捜索を行ったが、マリナは見つからなかった。
それから15年が経った。長かった。何度も諦めかけた。だが...ようやく一緒に暮らせる日が戻った。
そんなマリナだが、私たちと数日間ゆっくりと暮らした後、「自分のお店を持って、色々な事に挑戦したい」と言ってきた。
何でも地球で培った知識と技術で、食堂を開きたいと言い出した。向こうの世界では、ずーと働き詰めの日々を過ごしていたから、ぼ~とするのが苦手だと言った。
すると、ローラがマリナに向かって、「もしかしてマリナ、醤油や味噌も作れるの?」と尋ねた。
するとマリナは笑顔で、「うん。大豆さえあれば、醤油も味噌も作れるよ。お地蔵様から私、料理スキルを頂いたから種麹が手に入るし」と、ローラに少し得意気に話した。
「わー、いいなー。私は貰えなかったわ」
そう、親子で楽しそうに話している。
ローラも「マリナ、ずーとここにいればいいのに」と言った。
しかし、マリナは「私、色々挑戦したいの。色々な人と会ってみたいし。それに、私の様な外見で、困っている人たちが沢山いると思うの。そんな人たちに安心して食べられる場を提供したいの」と私たちの目を見つめ、真剣な表情で私とローラに伝えてきた。
「ジャパニーズ、大衆食堂ね!すごくいいんじゃない⁉」と、ローラもマリナを応援した。
「分かったよ、マリナ。やってみなさい。その代わりに、ザイフとローファンをマリナの店の従業員として加えるからね。あと数名も。それが条件だ」とマリナに真剣な表情で伝えた。
「ありがとう!パパ、ママ。私やってみる。地球では外見で注目されて苦しかった。でもこっちならマントと、仮面をかけていれば目立たないし。ザイフやローファンたちと頑張ってみるわ。応援してね。パパ、ママ!」
「もちろんだよ、マリナ。なあ、ローラ?」
「ええ。定期的に帰ってくるんですよ」そう親子3人、幸せに笑い合った。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇
マリナの店の厨房
はー、今日も忙しいわ。そろそれインリンたちも、うちにやって来る頃でしょう。仕事が終わったら、インリンたちとお酒でも飲もうかしら?
それにしても...今日はなんとなく、店内がざわついている感じがするわね。
「ローファン、何かあったの?」
「もう、マリナ聞いて!ものすごく恰好いい男性が来ているの!それも、インリンが連れてきたのよ!」
「はぁ⁉インリンが?ついに男性奴隷に手を出したの?そうじゃなきゃありえないでしょ?」
「ううん、違うの!奴隷じゃないの。私も握手してもらっちゃった!嫌がらないし。逆に私を見て照れていたわ!それに、その人が連れている奴隷も私たちクラスのブサイクだったけど。本当に大切にしていたわ!」
なによそれ⁉
「それよりもローファン!この唐揚げの数は何なの?本当なの⁉用意していたコカトリスが全然足りないじゃない!」
なによ、唐揚げ100人前って。私たちコックに死ねって言っているの?
「本当よ。前金で金貨貰っているもん。すごく気前いいし。「100人前も作らせてすみません」て、謝られちゃた。可愛いいのよ、凄く!」
「あなた...それを聞いたから断らなかったんじゃないの?」と少しきつめに睨むと、「えへへへへ」と笑って客席の方に逃げた。
まったくあの子は。そんな中、恐る恐るザイフが私の方に向かって来た。
「あ、あ、あの店長。注文でですね...」とザイフが言い始める。「コーラーを欲しいと言われたんです...。お品書きには無いと言ったのですが、麻璃奈さんに言えばわか...ひい!」
「ど、どんな人が言ったの!」
無意識のうちに、ザイフに包丁を向けていた。
「ほ、包丁を向けないで下さいよ~」と言い、「コーラーを注文した人は、もの凄く恰好いい男性でしたよ。ローファンが手を握っても、怒りもしませんでしたし」と続けた。
そして、「って店長!そんな血だらけの恰好でいったら!それに包丁も!」と、大きな声をあげた。
ザイフが何かを言っているようだが、その声は私の耳には届かなかった。そう言えば、上の階から暖かなオーラを感じる!青く暖かなオーラが!
それと何⁉この青いオーラの両隣にある、どピンクのオーラは?性欲ダダ洩れじゃない⁉椅子とか汚していないでしょうね?
そんなことを思いながら、地球から来た人との初めての出会いに胸を膨らませ、階段を駆け上がる麻璃奈であった。
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